iTunesのライブラリを家族と共有したいのに、どこを設定すればよいのか迷っていませんか?
ここでは長年Macに触れてきたエンジニアの実体験をもとに、ミュージック.appのホームシェアリングからFinderのファイル共有まで、段階を追って丁寧に案内します。設定画面の位置や注意点を画像付きで確認できるため、初めてでもつまずきません。さらにトラブル時のリセット方法までカバーするので、途中で音が途切れても安心です。
手持ちのMacやiPhoneで音楽が自由に行き来する心地よさを味わうために、まずは最初のステップから一緒に始めてみましょう。
iTunes共有をMacで始めるやさしいステップ

iTunes共有(Home Sharing)を使うと、同じネットワーク内のMacやiPhoneで音楽ライブラリをシームレスに楽しめます。
はじめてでも迷わないように、流れを整理するとこんな手順でスタートできます。
- Apple IDでサインイン:Musicアプリを開き、メニューバーの「アカウント」>「サインイン」から同じApple IDでログインします。
- Home Sharingをオンにする:Music>設定(環境設定)>「共有」タブでホームシェアリングを有効化します。
- 同一ネットワークを確認:Wi-FiやEthernetで同じLANに接続していることを確認します。
- 他のデバイスからアクセス:別のMacやiPhoneのMusicアプリまたはFinderのサイドバーに表示された共有ライブラリを選びます。
ネットワークの接続が途中で切れないように、ターミナルでcaffeinate -i
を実行してMacのスリープを防止すると快適に使えます。
転送速度を安定させたいときは、セキュリティとプライバシーのファイアウォール設定でMusicアプリの受信接続を許可しておくと安心です。
ミュージック.appでホームシェアリングを使う

ローカルネットワーク内のMac同士で、手軽に音楽を楽しみたいならミュージック.appのホームシェアリングがぴったりです。
自宅のWi-FiにつながったMac同士なら、ひとつのライブラリをまるごと別マシンから呼び出して再生できます。Apple IDで認証するだけなので、余計な機器やクラウドサービスは必要ありません。
プログラマーの視点からいうと、初期設定さえ済ませればポートの開放も不要で、手元のMacやApple TVで同じ音源をシームレスに切り替えられるのが強みです。リモート操作もスムーズなので、家じゅうを音楽でつなぎたいときに重宝します。
①メニューバーのミュージックから設定を開く
画面上部のメニューバーにあるミュージックをクリックしてください。
プルダウンメニューの中から設定…を選ぶと、環境設定ウィンドウが開きます。
②共有タブでホームシェアリングにチェックを入れる
まずMusic(ミュージック)アプリのメニューバーから「Music」→「環境設定」を開いてください。
環境設定のウインドウ上部にある「共有」タブをクリックします。
表示された共有設定の中からホームシェアリングを有効化するためにチェックを入れてください。
チェック後、Apple IDのサインインが求められたら、自分のアカウント情報を入力してログインします。
③AppleIDとパスワードを入力してオンにする
ホームシェアリングのボックスをオンにするとサインイン画面がポップアップで表示されます。
AppleIDとパスワードを入力してホームシェアリングをオンにします。入力後は[サインイン]ボタンをクリックしてください。
二要素認証を有効にしているときは、ほかの端末に届く認証コードを先に入力してからサインインしてください。
④ほかのMacやデバイスでもホームシェアリングをオンにする
共有したいほかのMacを起動し、ミュージックAppを開きます。
メニューバーのアカウント→ホームシェアリング→ホームシェアリングをオンを選択し、表示された画面でメインと同じAppleIDでサインインしてください。
iPhoneやiPadでは設定App→ミュージック(またはTV)→ホームシェアリングをタップし、同じAppleIDでサインインします。
同じネットワーク内でのみ共有が有効になります。Wi-Fi名が異なる場合は接続先を確認してください。
Finderでライブラリフォルダを共有する

Finderの共有機能を使うと、iTunesのライブラリフォルダをMac同士でパッと見せ合うことができます。特別なソフトを入れずに、普段使っている操作感そのままで音楽データを共有できるのが嬉しいポイントです。
わざわざiTunesの設定画面を開かなくても、Finderからネットワーク上の相手のMacにアクセスしてライブラリを丸ごと取り込めるのは初心者でも安心です。高速なLAN環境が整っていれば、曲の読み込みもストレスフリーに進みます。
家の中にあるMacをつなげて、誰かがお気に入りプレイリストを追加したらすぐに再生できる。そんな使い方をしたいなら、Finderでのフォルダ共有がいちおしです。
①Appleメニューからシステム設定を開く
画面左上のAppleロゴをクリックするとメニューが開くので、リストの中からシステム設定を選んでクリックしてください。
最新のmacOSでは「システム設定」という名前ですが、Ventura以降を前提にしています。
②共有を選びファイル共有をオンにする
macOS Ventura以降はりんごマーク→システム設定→一般と進み共有をクリックしてください。Monterey以前はりんごマーク→システム環境設定から共有を選びます。
つぎに表示された項目一覧からファイル共有のスイッチをぽちっと押してオンにします。スイッチが緑色に変われば有効化は完了です。
必要に応じて左下の鍵アイコンをクリックし管理者パスワードを入力してください。これで設定を変えられるようになります。
共有をオンにするとネットワーク上のデバイスからMac内の対応フォルダにアクセスできるようになりますので公開したくないデータは別の場所にまとめておくと安心です。
③+ボタンでミュージックフォルダを追加する
共有タブのリスト下にある+ボタンをクリックしてください。
表示されたFinderウィンドウでホーム>Musicフォルダを探して選択してください。
選択したフォルダで選択ボタンをクリックするとリストに追加されます。
フォルダ内部の大容量ファイルが多いと、最初の読み込みが遅く感じることがあります。
④オプションでSMB共有を選びユーザを許可する
システム環境設定の共有パネルでオプションをクリックします。
表示されたウィンドウでSMBを使用してファイルとフォルダを共有にチェックを入れてください。
続いて許可したいユーザ名にチェックを入れ、パスワードを入力します。パスワードはMacのログインパスワードです。
最後に完了をクリックして設定を反映させればOKです。
⑤他のMacでFinderのネットワークからライブラリにアクセスする
DockのFinderアイコンをクリックして、Finderを立ち上げます。
サイドバーにある「ネットワーク」をクリックし、LAN内のMac一覧を表示します。
共有ライブラリを公開しているMac名をダブルクリックします。パスワードが求められたら、共有設定時のアカウント情報を入力してください。
共有フォルダの中にある「Music」または設定したライブラリフォルダをクリックします。フォルダ名は先に共有した名前と一致します。
ライブラリ内のiTunes Library.itlファイルやiTunes Media
フォルダをダブルクリックすると、Musicアプリが自動で起動して共有ライブラリを読み込みます。
iTunes共有ができたら広がる楽しい使い道

iTunes共有が使えるようになると自宅のあちこちから気軽に音楽を呼び出せるようになります。いつものお気に入りリストを別の部屋のスピーカーで鳴らしたり、来客に最新アルバムをシェアしたりと楽しみ方がぐんと広がります。
応用テクニック | 活用シーンと効果 |
---|---|
マルチルーム再生 | リビングやキッチンで同じBGMを同時再生して家中をコンサート会場に。 |
デバイス直接ストリーミング | iPhoneやiPadから曲を呼び出し、端末のストレージ節約と操作性アップ。 |
パーティーで音楽シェア | 来客のライブラリを再生して会話のきっかけを作る。 |
テレビスピーカー連携 | Apple TV経由でステレオやホームシアターを活用して迫力サウンド。 |
自動プレイリスト更新 | AppleScriptと組み合わせて共有プレイリストを定期更新。 |
それぞれの使い道はプログラマー視点のちょっとした工夫を加えるともっと便利になります。まずは試してみて、新しい音楽体験を楽しんでください。
AppleTVでリビングの大画面とスピーカーに流す

Apple TVをリビングのテレビに接続すると、iTunes共有の音楽を大画面とスピーカーでいっしょに楽しめます。テレビのディスプレイにアルバムアートや歌詞を映しながら、HomePodやAVアンプにつないだスピーカーで迫力のサウンドが味わえます。
- 大画面で視覚も満たす:テレビ越しに歌詞やアルバムアートが浮かび上がる
- 迫力サウンドとの組み合わせ:HomePodやAVアンプ経由で深みある再生を
- Siriリモコンで直感操作:声やコントロールセンターから瞬時に選曲できる
- AirPlayグループ連携:リビングから廊下や寝室のスピーカーまで一括再生
ミュージックライブラリをAppleTVのコンピュータアプリで選ぶ
Apple TVアプリを起動したら、画面上部にあるライブラリタブをクリックします。サイドバーに「コンピュータ」という項目が表示されるので、その中から見たいミュージックライブラリ名を選ぶとライブラリ内の曲一覧が出てきます。
AirPlayで部屋ごとにスピーカーを切り替える
DockかアプリフォルダからMusicアプリを起動して、好きな曲をクリックして再生してください。
再生中の画面右上にあるスピーカーのマークをクリックすると、利用できるAirPlayスピーカー一覧が表示されます。
一覧に並ぶ各スピーカー名のチェックを入れたり外したりして、音を出したい部屋だけを選択してください。
同じWi-Fiに接続されたスピーカーだけが表示されます。
iPhoneからMacの曲をストリーミングで楽しむ

Macのミュージックでホームシェアリングをオンにして、同じApple IDでサインインしたiPhoneを同じWi-Fiにつなぐと、iPhoneのミュージックアプリにMacのライブラリが「共有」として現れます。
家の中を移動しながらネットワーク越しにリアルタイム再生できるので、iPhoneの空き容量を気にせずに大容量の曲も存分に楽しむことができます。
設定アプリでミュージックのホームシェアリングをオンにする
ホーム画面から歯車アイコンの設定アプリをタップして開いてください。
リストを下にスクロールして「ミュージック」を探し、タップして設定画面に進んでください。
「ホームシェアリング」をタップし、スイッチを右に動かしてオンにします。Apple IDとパスワードを求められたら同じアカウント情報を入力してください。
ご自宅のWi-Fiネットワークに接続しているときだけ機能します。モバイルデータはオフにしておくと安定します。
ミュージックアプリの共有ライブラリをタップして再生する
ミュージックアプリでほかのMacの共有ライブラリを選ぶと、その中の曲やプレイリストがまるで自分のライブラリのように楽しめます。
ホーム画面からミュージックアプリをタップします。
下部メニューのライブラリを開き、画面上部にある「共有」をタップします。
一覧に表示された共有ライブラリからお目当てのものをタップして開きます。
ライブラリ内の曲一覧やプレイリストから聴きたいものを選んでタップすると再生が始まります。
同じWi-FiネットワークにつながっているMacだけが共有ライブラリに表示されます。
複数Macでプレイリストや再生回数を合わせる

Macがふたつになってもあのプレイリストや再生回数をピッタリ同じに保ちたい場面、ありますよね。
そんなときはApple Music契約者向けのSync Library(iCloud Music Library)をオンにするか、DropboxなどのクラウドストレージでiTunesライブラリファイルを丸ごと共有する方法が活躍します。
Sync LibraryならWi-Fiにつないでおくだけでプレイリストも再生回数も自動でそろってくれるので、気楽にスタートできます。
一方でApple Musicを使わない場合は、ライブラリファイル(.itlや.xml)をクラウドに置き、各Macでシンボリックリンクを張ると同じ情報を読み込めます。プログラマーらしく起動前に小さなシェルスクリプトでファイルロックをかけると、同期コンフリクトをグッと減らせます。
どちらも音楽ファイルは各Macにローカル保存しておけば、オフラインでも再生数やお気に入りが変わらず楽しめるのがうれしいポイントです。
ライブラリ内のスマートプレイリストをiCloudミュージックで同期する
ミュージックを開いてメニューバーの「ミュージック」>「環境設定」をクリックします。
一般タブにあるライブラリを同期にチェックを入れてOKを押します。
サイドバーのスマートプレイリストを選んでメニューから「ファイル」>「ライブラリ」>「iCloudミュージックライブラリを更新」を実行すると、プレイリストがクラウドにアップロードされます。
アップロード後、プレイリスト名の横に雲アイコンが表示されれば、ほかの端末でも同じプレイリストが利用できるようになります。
レーティングや再生回数を共有ライブラリで反映させる
共有ライブラリで友だちのレーティングや再生回数まで楽しみたいときは、ライブラリの設定をちょっといじるだけで実現できます。リモートの曲にも自分のコレクションと同じ評価や再生データが反映されると、プレイリスト作成やおすすめ精度がグンとアップします。
Home Sharingで使用するApple IDは、共有元と共有先のMacで同じものを使ってください。異なると再生数などが同期されません。
メニューバーの「Music」→「設定…」を選んで環境設定を開きます。
「詳細」タブの〈ホーム共有〉欄で再生回数とレーティングを共有にチェックを入れます。
設定を保存してMusicをいったん終了させると、自動で変更が共有ライブラリにも届きます。
Home Sharingのバージョンが合わないとオプションが非表示になることがありますので、両方ともmacOS Ventura以降にアップデートしておきましょう。
よくある質問

- iTunes共有がサイドバーに出てこないのはなぜですか?
Wi-FiとEthernetが同じネットワークにあるか確かめてみてください。ルーターを再起動すると、意外とすんなり繋がることがあります。あと、システム環境設定→ネットワーク→ファイアウォールで「着信接続を自動的に許可」がオンになっているかもチェックしてみてくださいね。
- 他のMacから共有ライブラリにアクセスできません
Musicアプリの環境設定→共有タブで「このコンピュータのライブラリを共有」にチェックが入っているか確認しましょう。共有フォルダやアクセス権限を変えたり、サイドバーの「共有」欄で目的のライブラリ名をクリックし直すとパスワード画面が出てきます。
- ストリーミング時の音質を上げたいときはどうすればいいですか?
Musicアプリの環境設定→再生タブで「ストリーミング品質」を選べます。ここで「高音質」を選んでおくとLAN内での曲飛びが減り、クリアな音で楽しめるようになります。
- ネットワークが遅くて曲が止まってしまいます
有線LANにつなぎ直すと安定度がぐっと上がります。どうしても無線じゃないとダメな場合は、ルーターのチャンネルを変えたりWi-Fiメッシュシステムを導入するとスムーズになります。
AppleIDは家族それぞれ別でも共有できる?
ホームシェアリングは同じApple IDでサインインすることで、家じゅうの音楽ライブラリをつなげる仕組みです。
家族がそれぞれ別のApple IDで音楽を買っていても、新たにホームシェアリング専用のApple IDをひとつ用意すれば大丈夫です。個人用のIDはそのままに、みんなのMacでシェアリングIDにサインインしておくと、購入先を気にせずに一か所にまとめられます。
ミュージック.appが見当たらないときはどうする?
ミュージック.appが見当たらないときは、Spotlight検索やFinderの「アプリケーション」フォルダから探してみましょう。Spotlightは右上の虫眼鏡アイコンをクリックして「ミュージック」と入力するだけで候補が表示されますし、Finderならサイドバーの「アプリケーション」フォルダを開いて一覧の中から見つけられます。それでも見つからない場合は、AppStoreから再インストールすることで元に戻せます。
共有中の曲がグレーになって再生できないのはなぜ?
- 共有中の曲がグレーになって再生できないのはなぜ?
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共有している曲がグレー表示になるのは、再生時に元のファイルが見つからないか、対応していない形式だからです。たとえば曲を別のフォルダに移動したり、外付けドライブをオフにしたときに起こりやすいです。またDRM(デジタル著作権管理)がかかった古い購入曲はホームシェアリングで再生できません。
まずは元のMacでミュージックアプリが正常に再生できるか確認してください。それで問題なければ、音源の格納先を元に戻すか、ライブラリに再読み込みしてあげましょう。DRM付きの曲はApple Musicに移行するか、非対応のファイルをMP3などに変換してから共有するとグレー表示が消えます。
WindowsパソコンともiTunes共有できる?
はい、WindowsパソコンでもiTunes共有が楽しめます。Windows版のiTunesを同じネットワーク上にインストールすれば、Macで作った音楽ライブラリをそのまま再生できるので、家族や仲間とプラットフォームを気にせずに曲をシェアできます。
プログラマー視点のちょっとしたコツとしては、WindowsのファイアウォールでiTunesの受信を許可しておくとスムーズです。また、MacとWindowsで同じフォルダ構成にしておくと共有先のライブラリが迷子になりにくく、見つけやすさがアップします。
Wi-Fiが遅いときの対処法は?
音楽を聴いている途中にプチプチ途切れるとガッカリしますよね。Macのネットワーク診断や周辺環境のちょっとした見直しでサクッと改善できることが多いので、まずは気軽にチェックしてみましょう。
- ルーターを部屋の中央かつ高い場所に置いて電波の抜け道を確保する
- 2.4GHzと5GHzを切り替えて、干渉が少ないほうを選ぶ
- 電子レンジやBluetooth機器と距離をとってノイズを減らす
- Macの「ネットワークユーティリティ」で速度やパケットロスを確認する
- どうしても不安定なときは、AirMacベースステーションや有線LANでつなぎ直す
これらの方法でサクサク動くようになると、iTunes共有で家じゅうの音楽をシームレスに楽しめるようになりますよ。
まとめ

MacでiTunes共有を設定すると、ひとつの音楽ライブラリを家じゅうのMacやiPhoneからすいすい再生できます。
まずはシステム環境設定→共有で「メディア共有」をオンにして、次にiTunes(ミュージックApp)でライブラリを公開するだけでしたね。
共有ライブラリにアクセスすれば、新しいプレイリストや自分好みの曲をすぐにみんなで楽しめます。ちょっとした工夫でお気に入りの1枚をすばやく探せるようになったのも嬉しいポイントでした。
あとはいつもの音楽ライフに戻って、家族や友人と一緒に音の世界を広げてみてください。次のパーティーがきっともっと楽しくなりますよ。