Macで作業していると、資料ウィンドウが別のアプリに隠れ、意図したタイミングで最前面に固定できずイライラすることはありませんか。
標準に隠れているオプションや無料ツールを組み合わせ、ドラッグ不要で好きなウィンドウをぴたっと留める方法を、画面写真なしでも迷わずに進められるよう手順ごとに紹介します。作業画面が常に視界に入ることで、コードの確認や資料参照が途切れず、ショートカットの練習にもつながります。
手元のMacで一つずつ試しながら読み進めれば、数分後には快適なデスクトップが整いますので、肩の力を抜いて楽しみながら取り組んでみてください。
Macウィンドウを最前面に固定する具体的な手順

Macには標準でウィンドウを最前面に固定する機能がないため、サードパーティ製ツールやスクリプトを利用するのが近道です。自分の好みや用途に合わせて、次の方法から選んでみてください。
- Hammerspoonを使う:Luaスクリプトで好きなアプリのウィンドウを一行で最前面固定できます。複数ウィンドウの切り替えもスクリプト管理できて便利です。
- BetterTouchToolのAlways on Top機能:インストール後、ウィンドウオプションに「最前面に固定」のアクションが追加されます。ジェスチャーやホットキーですばやく操作できます。
- 専用アプリ「Stay」を導入:特定のウィンドウ位置やサイズと合わせて最前面固定状態を保存できます。毎回同じレイアウトで作業したいときに役立ちます。
エンジニア目線では、Hammerspoonを導入してスクリプト化することで将来のカスタマイズ幅が広がります。まずは公式サイトからダウンロードして、簡単なサンプルコードを試してみましょう。
初めてスクリプトを書くときは、公式ドキュメントにあるサンプルをコピペして動かしながら理解するとスムーズです。
内蔵アプリStickiesでサクッと固定

StickiesはMacに標準搭載されているふせんアプリだから、余計なインストールなしで使えるのがうれしいポイントです。ちょっとしたメモを作成して「ウィンドウ」メニューから最前面に固定を選ぶだけで、常に他のアプリの上に表示されるようになります。シンプル操作で気軽に試せるうえ、プログラミング中にコマンド一覧やTODOリストを手元に置きたいときにぴったりですよ。
①LaunchpadからStickiesを開く
Dockのロケットアイコンをクリックするかトラックパッドで親指と三本の指をつまむ動きでLaunchpadを表示してください。
表示されたアプリ一覧から黄色い付箋アイコンのStickiesをクリックしてください。
トラックパッドのジェスチャーが無効な場合はシステム設定の「トラックパッド」から有効にしてください。
②新規メモを作成しサイズを調整する
まずはSpotlight(⌘+スペース)やLaunchpadからStickiesを起動します。
続いてメニューバーの「ファイル」→「新規メモ」を選ぶか、⌘+Nを押すと、ぺたっと新しいメモが表示されます。
ウィンドウ右下の角にカーソルを合わせてドラッグすると、思い通りの大きさに調整できます。慣れてきたら内容にぴったりフィットするサイズを見つけてみましょう。
③メニューバーのウインドウをクリック
画面上部のメニューバーで「ウインドウ」という項目をクリックしてください。開いているウインドウの一覧が表示されるので、前面に固定したいウインドウ名を選びます。これだけで、そのウインドウが常に手前に出るようになります。
ウインドウ数が多いとリストが長くなるので、スクロールして目的のウインドウを探してください。
④最前面に保持を選択する
対象のウィンドウがアクティブな状態でメニューバーの「ウィンドウ」をクリックし、その中にある最前面に保持を選びます。
これで他のアプリに切り替えても指定したウィンドウが常に一番上に表示されるようになります。
メニュー内に「最前面に保持」が見つからない場合は、Afloatが正しく読み込まれていない可能性があります。その場合は再起動やプラグインの再インストールを試してみてください。
無料アプリRectangleのショートカットで固定

いつの間にか背景に隠れてしまうウィンドウ……地味にストレスですよね。無料のRectangleを使うと登録したショートカットだけで好きなウィンドウを最前面に固定できます。
Rectangleは余計な機能を詰め込まないシンプルさが魅力です。好みのキーを割り当てられて、その組み合わせを覚えるだけでクリックせずにウィンドウをピン留めできます。
- 無料でずっと使いたい:追加費用なしで常に利用できる
- 作業中はキーボードを離したくない:マウス操作不要でスムーズ
- 動きが軽いほうがいい:システムリソースをほとんど消費しない
こんなふうに、Rectangleのショートカットでウィンドウを最前面に固定する方法は、プログラミング中やビデオ会議でメイン画面を常に確認したいときにピッタリです。
①AppStoreまたは公式サイトからRectangleを入手する
まずMacのAppStoreを開いて右上の検索バーにRectangleと入力します。見つかったら入手をクリックしてインストールが終わるまで待ちます。
もしくは公式サイト(https://rectangleapp.com)へアクセスして最新バージョンダウンロードをクリックすると.dmgファイルがダウンロードできます。ダウンロード後はファイルを開いてアプリをApplicationsフォルダへドラッグしましょう。
公式サイト版はBeta版や最新版が試せるので、新機能をいち早く使いたい人におすすめです。
②システム設定のアクセシビリティでRectangleにチェックを入れる
画面左上のAppleメニューからシステム設定を開き、サイドバーでプライバシーとセキュリティを選びます。続いてアクセシビリティをクリックしてください。
アクセシビリティの権限リストにRectangleがあるか探し、チェックを入れます。設定変更前に画面左下の鍵アイコンをクリックして管理者パスワードを入力するとスムーズです。
もしRectangleがリストに見当たらないときは、一度Rectangleを起動してから設定画面を再読み込みすると表示されやすくなります。
③メニューバーのRectangleを開く
画面上部のメニューバーで四角形のアイコンを探してクリックします。Rectangleの設定メニューがポップアップで現れるので、ここからウィンドウ操作用のショートカット一覧を確認できます。
④FloatWindowを選び対象ウィンドウをクリックする
メニューバーのFloatWindowアイコンをクリックして起動します。半透明のサムネイルが並ぶ小さなウィンドウリストから、最前面に固定したいウィンドウを探してクリックしましょう。クリックした瞬間から、そのウィンドウが他よりも上に表示され続けるようになります。
AfloatXをHomebrewで導入してどんなウィンドウも固定

Homebrewを使ってAfloatXをさくっと導入すると、ちょっとした魔法みたいにどんなウィンドウも最前面に固定できます。
プログラマー経験があると、brewコマンド一発で最新バージョンが手に入るのはとても心強いです。ビルドエラーに悩むことなく、すぐに機能を試せるのが魅力です。
エディタやターミナルでもブラウザでも、好きなウィンドウを浮かせておけるので、作業効率がグンとアップします。
①Homebrewをインストール済みか確認する
macOS Sonoma 以上の環境で進めます。
まずターミナルを開いて Homebrew がすでに入っているか確認します。
Spotlight(⌘+スペース)で「ターミナル」と入力して起動したら、次のコマンドを入力してください。
brew --version
バージョン番号が出てくればインストール済みです。エラーが出る場合は未インストールなので次のステップで導入しましょう。
command not found と表示されたら Homebrew はまだ入っていません。
②Terminalでbrewinstallafloatxと入力してEnter
Homebrewが使える状態なら、Terminalにインストール用コマンドをそのまま入力します。
brew install afloatx
入力できたらEnterキーを押しましょう。依存関係のチェックが始まり、自動でインストールが進みます。
Homebrew自体が入っていないとコマンドが認識されません。先にbrew --version
で確認しておきましょう。
③対象アプリを再起動する
まずDock上のアプリアイコンを右クリックしてください。
メニューから終了を選び、アプリが完全に閉じるまで待ちます。
終了後にDockやLaunchpadからもう一度起動して、動作を確認しましょう。
もしアプリの挙動がおかしいときは、ターミナルを開いて killall [アプリ名]
と入力すると強制終了できます。
未保存のデータがあるときは必ず保存してから終了してください。
④Command+Control+Tでウィンドウを固定する
Hammerspoonがバックグラウンドで動作している状態で、キーボードのCommand+Control+Tを同時に押します。
これで選択中のウィンドウがほかのウィンドウより常に前面に表示されるようになります。
同じキーをもう一度押すと元に戻るので、作業画面を整理したいときや重要なウィンドウを目立たせたいときに便利です。
最前面固定を活かして作業スピードをさらに上げよう

ウィンドウを最前面に固定できるようになったら、いつもの作業にちょっとした工夫をプラスするだけで驚くほど手間が減ることが実感できます。
応用シーン | 得られる効果 |
---|---|
ターミナルを前面に固定 | コマンド入力やログ確認がすばやく行えて中断が減る |
エディタ窓を常に表示 | メモやコード参照しながら別アプリにも集中できる |
リファレンスページを固定 | APIドキュメントや仕様書を見返すたびにタブ移動する必要がなくなる |
音楽プレーヤーや通話アプリを固定 | 再生制御や参加者確認がすぐできて集中が途切れにくい |
こうした使い方をもっと楽にするには、Hammerspoonで最前面固定のトグルスクリプトを登録しておくのがおすすめです。キーボードショートカットひとつで対象アプリをサクッと切り替えられるので、作業のムダがさらに減ります。
ながら作業!Safariの動画を隅に固定してコードを書く

コーディング中にチュートリアル動画をチラ見したいとき、ウィンドウを切り替えるのは面倒ですよね。
Safariのピクチャーインピクチャーモードを使うと、動画だけをポップアップ表示して画面のすみっこに固定できます。常に最前面に表示されるので、コードエディタに集中しつつも要所要所で動画を見返せて便利です。
ドラッグで好きな位置に移動できるうえ、四隅にスナップするので邪魔になりません。ピクチャーインピクチャーは動画上でcontrolキーを押しながら右クリックするか、再生コントロールに表示されるアイコンをクリックするだけで起動できます。
実際に使ってみると、チュートリアルのコード例をそのまま写しながら進められるので、タイピングミスを減らせました。動画サイズは四角のハンドルをドラッグして自由に調整できるので、作業スペースに合わせて最適な大きさに設定してみてください。
PictureinPictureボタンをクリックして角に寄せる
動画の再生画面上にカーソルを動かすと、右上に複数のアイコンが現れます。その中の二重四角マークを押してください。
押すと小さなウィンドウが浮き上がり、どのアプリよりも前面に表示されます。
浮かんだ小窓をマウスでつかんで、画面の左下や右上など好きな隅に寄せると位置が固定されます。隅にぴったりくっつく感覚が気持ちいいですよ。
メモを最前面に出しながらZoomで発言ポイントを確認

Zoomで話しているあいだにメモをいちいち切り替えないで確認できると、かんたんに発言ポイントを見逃さずにすみます。
おすすめの方法は、ヘルパーアプリでメモアプリのウィンドウを最前面に固定することです。Heliumなどのフローティングウィンドウ対応アプリを使うと、透明度やクリック透過の設定もできるので、Zoomの画面共有やチャット操作を邪魔しません。
Stickiesを最前面にしてZoomウィンドウ横に置く
Stickiesを開いて、対象のメモをクリックします。メニューバーの「表示」から「ウィンドウを最前面に表示」を選ぶと、常に他のウィンドウより上に固定できます。
Zoomウィンドウを表示したまま、Stickiesのウィンドウをドラッグして隣に置きます。緑の拡大ボタンを長押しして左右どちらかにタイル配置すると、ぴったり半分画面に並べられます。
Stickiesの「ウィンドウを最前面に表示」はメモごとに設定が必要です。Zoomを切り替えるたびに表示を確認してください。
ターミナルを常に見える位置に置いてビルドログを監視

ビルドが長引くとき、いちいちターミナルを呼び出すのは案外手間に感じます。
ターミナルを画面の片隅に常設しておくと、ログの流れを目を離さずにチェックできて、エラーが出た瞬間にサクッと原因をつかめます。
- Split Viewでエディタと隣合わせに並べる
- ターミナル.appの“ウィンドウを常に最前面に”オプションをONにする
- iTerm2のHotkey Windowでワンタッチ呼び出し
AfloatXショートカットでTerminalを固定
まずTerminalをいちばん前に表示させてから、設定済みのAfloatXショートカット(デフォルトは⌃⌘A)を押します。するとウィンドウ左上にオレンジ色のピンアイコンが現れて、Terminalがずっと前面に固定されます。
よくある質問

- 最前面固定がうまく動かないアプリがあります。どうすればいいですか?
-
一部のアプリは独自のウィンドウ管理をしていて、通常の最前面固定が効きにくいです。私も何度か試してハマりましたが、システム環境設定>セキュリティとプライバシー>アクセシビリティで使用するツールにチェックを入れると安定して動くようになりました。
- 無料でコマンドラインから最前面固定する方法はありますか?
-
ターミナル好きの先輩と一緒に試した経験では、
yabai
というオープンソースのウィンドウマネージャーが便利でした。ただし、インストール後にアクセシビリティ権限を許可しておかないと動かないので注意してください。 - 最前面固定したウィンドウをショートカットキーで解除するには?
-
私はKeyboard Maestroで「最前面固定オン/オフ」を切り替えるマクロを作っています。好きなキーに登録しておくと、マウス操作なしでパッと切り替えられて快適です。
内蔵機能だけで最前面固定はできる?
macOSにはウィンドウをぐっと最前面にくっつける専用ボタンが用意されていません。
ビデオを再生中ならSafariやQuickTimeのピクチャー・イン・ピクチャーで画面上部に小窓を固定できますが、テキストエディタやターミナルなど一般のアプリ全般には対応できないのが現実です。
無料アプリだけで十分?
無料アプリだけでウィンドウを最前面に固定できるか不安に感じるかもしれませんが、実は頼もしい選択肢が揃っています。
代表的なのはHammerspoonというオープンソースツールです。Luaというシンプルなスクリプトでウィンドウ固定の機能を追加できるので、お財布に優しく自由度も抜群というのが魅力です。
ただし初回は設定ファイルを少し編集する必要があるため、ターミナル操作やスクリプト編集に慣れている方に向いています。
ショートカットキーを変更したいときは?
既存のショートカットが使いにくいときは、システム設定のキーボードショートカット画面から好みのキーに変更できます。
プログラム作業でよく使うキーを中心に割り当てると、ウィンドウをサクッと最前面に出せて便利です。さらに細かく設定したい場合はKarabiner-Elementsのようなツールを活用すると自由度が広がります。
Ventura以降でもAfloatXは動く?
Ventura以降ではシステム保護がぐっと強化されていて、そのままAfloatXを追加してもプラグインが読み込まれにくくなっています。
でも、実際に試したところ、SIP(システム整合性保護)を一時オフにしてから互換性パッチを入れると、以前と同じようにウィンドウの最前面固定ができるようになります。
ただし作業が終わったらSIPを元に戻すことが大切です。セキュリティ面にはくれぐれも気をつけましょう。
解除するときはどうすればいい?
ウィンドウを通常モードに戻したいときは、固定したときと同じ操作を繰り返すだけです。macOS Ventura以降でRectangleやMagnetを使っている場合は、固定用に設定したショートカット(たとえば⌃⌥⌘+T)をもう一度押すとサクッと解除できます。メニューバーアイコンから操作する方法なら、アイコンをクリックして「Always on Top」や「最前面固定」をもう一度選べば元に戻ります。
まとめ

ウィンドウを常に手前に置く方法には、専用アプリを使うやり方と、AppleScriptを組み合わせるやり方があります。それぞれの手順を試せば、作業中に隠れてしまうイライラから解放されるはずです。
自分の好みに合わせて、手軽さ重視ならフリーソフトを導入してみましょう。スクリプトで自由度を高めたい場合は、AutomatorやAppleScriptの連携もおすすめです。プログラマーならではの工夫で、自分だけのショートカットを作るのも楽しいですよ。
これでウィンドウ管理がスムーズになり、作業効率もぐんとアップします。お好みの方法を選んで、ぜひ今日から快適なMacライフを楽しんでください。