iMovieで撮影した家族旅行の長い映像を倍速でサクッとまとめたいのに、操作がわからず手が止まってしまうことはありませんか?
この記事では、画面のどの部分をクリックするかまで細かく示すので、初めての方でも迷わず速度調整が進められます。映像を短くしながらも映像と音のバランスを保つコツ、Mac操作を高速化するショートカットまで網羅しています。
読み終えるころには手順が自然に身につき、次の動画を躊躇なく倍速化できるようになります。Macを開いたら、ここで学んだ流れで編集を試し、軽やかなテンポの作品づくりを始めてみてください。
iMovieで倍速動画を作る具体的なステップ

iMovieで倍速動画を作る方法は大きく分けて3つあります。どれも手順はシンプルなので、まずは全体像をつかんでおくと安心です。
- クリップスピード機能:タイムライン上のクリップ全体をまとめて倍速にする。
- レンジスピード機能:動画の一部分だけを選んでピンポイントで速度を調整する。
- オーディオピッチの維持:速くしても声や音楽の高さが不自然にならない設定を適用する。
次のステップでは、それぞれの方法を順番に実際の画面で操作しながら進めていきます。初めてでも迷わないように、プログラマー視点の小ワザもお届けしますのでお楽しみに。
タイムラインの速度調整ツールで進める

タイムライン上で速度調整バーを直接ドラッグすると、映像の流れを確認しながら微調整できるのが魅力です。直感的にスピードを上下できるので、再生しながら変化を確認したいときにぴったりです。
倍率メニューから2倍速や0.5倍速をサクッと選べるだけでなく、任意のパーセンテージにも対応しているため、自分好みの再生速度に細かく合わせられます。
①iMovieを起動して「+」からムービーを選ぶ
DockのiMovieアイコンをクリックするか、 Spotlight検索で「iMovie」と入力してアプリを起動します。立ち上がったら画面上部の「+」ボタンを押し、表示されたメニューからムービーを選択してください。新規プロジェクトのタイムライン画面が表示されます。
②読み込みたい動画をブラウザにドラッグする
Finderで取り込みたい動画ファイルをクリックしたままドラッグし、ブラウザのメディア追加エリア(点線やハイライトで示される場所)まで運んで囲みが表示されたらマウスボタンを離します。
③クリップをタイムラインへドラッグする
メディアブラウザに並んだクリップから、配置したいものを見つけます。
クリップをクリックしたままタイムラインの任意の位置へドラッグ&ドロップしてください。
タイムライン下のズームスライダーで拡大すると、細かい位置調整がしやすくなります。
ドロップがうまくいかないときは、一度タイムラインをクリックしてから再度ドラッグしてみましょう。
④速度メニューのメーターアイコンをクリックする
速度メニューが開いたら、スライダーアイコン(メーター型)をクリックしてください。これで再生速度を自由に調整できるスライダーが表示されます。
メーターアイコンが反応しないときは、対象クリップが青く選択されているかどうかを確かめましょう。
⑤速度ポップアップで倍速を選択する
クリップを選んだ状態でプレビューの上部にある速度アイコン(ゲージのようなマーク)をクリックすると、速度ポップアップが表示されます。
ポップアップ内の「速く」セクションで「2×」をクリックすると、動画が2倍速に変更されます。
「カスタム」を選ぶとスライダーで細かく倍率を指定できるので、正確に2.0倍に合わせたいときに便利です。
オーディオも速く再生されるため、音声ピッチが変わる場合は「オーディオのピッチ維持」を有効にしてください。
⑥スペースキーで再生し編集を確認する
タイムライン上で確認したい位置に再生ヘッドを合わせます。スペースキーを押すと再生が始まり、もう一度押すと一時停止できます。このとき、カット位置やトランジションのつながりをしっかり見ましょう。特に速くなったクリップで音声がずれていないか要チェックです。
再生中に再生ヘッドを少しずつ前後に動かすと、細かなつなぎ目も見逃しにくくなります。再生がカクつく場合はプレビュー画質を「低」に切り替えると軽快に動いてくれるので試してみてください。
⑦右上の共有ボタンからファイルを書き出す
画面右上にある共有アイコンをクリックし、一覧からファイルを書き出すを選びます。
書き出し設定では解像度や品質を選べます。プログラマー視点なら圧縮率を抑えて画質を保ちたいので最高品質を選ぶと安心です。
出力先をファイルにして、保存したいフォルダを指定します。ファイル名は半角英数字で空白を避けておくと、他のツールで取り扱いやすくなります。
保存を押すと書き出しが始まります。進行状況はプレビュー画面の下に表示されるので、完了までゆっくり待ちましょう。
書き出した動画はファイルサイズが大きくなりやすいので、事前にディスクの空き容量を確認してください。
キーボードショートカットでサッと倍速にする

動画の再生速度を一時的に早めたい場合は、マウスに触らずにキーボード操作だけでサッと倍速プレビューに切り替えられます。iMovieの再生画面でLキーを押すと通常の1倍から再生スピードが上がり、さらに押すと2倍、4倍へと段階的に速くなるのでテンポよく確認できます。
慣れるとカットのつなぎや音声のズレをチェックするときに速度変更メニューを開く手間が省けて、編集のリズムが崩れにくくなります。クリップ自体の長さを変えずにプレビューだけスピードアップしたい場面で力を発揮するので、ぜひ覚えて使ってみてください。
①タイムラインでクリップをクリックして選ぶ
プロジェクトを開いたらタイムラインを見てください。選びたいクリップの上にカーソルを合わせてシングルクリックします。
クリックすると黄色い枠が表示されて選択状態がわかります。
クリップが小さすぎてクリックしづらいときは、タイムライン右上のズームスライダーを操作して拡大すると狙いやすくなります。
②Command+Rで速度エディタを表示する
まずはタイムライン上で速度を変えたいクリップをクリックして選んでおきます。これをしないとショートカットを押しても反応しません。
クリップを選択したままCommand+Rを同時に押すと、画面下部に速度エディタがスルッと現れます。このスライダーを左右に動かすと再生速度をサクッと調整できます。
速度エディタが出てこない場合は、ほかのウィンドウがアクティブになっていないか念のため確認してみてください。
③Optionを押しながら速度ハンドルをドラッグする
クリップの速度ハンドルを微調整したいときはOptionキーを押しながらドラッグすると、細かいパーセント単位で変更できます。
タイムライン上で速度を変えたいクリップをクリックして選びます。
キーボードのOptionキーを押し続けたまま、クリップ上の速度ハンドルを左右に動かして微調整します。
④Returnキーで変更を確定する
速度バーの数値入力欄に好みのパーセンテージをタイプしたら、必ずReturnキーを押して確定しましょう。マウスでクリックする手間が省けるうえ、編集のテンポがアップします。
倍速テクニックを応用してもっと魅力的な動画に仕上げる

倍速編集に慣れてきたら、ちょっと遊び心を加えて作品の魅力をグッと高めてみましょう。単に早く進むだけじゃなく、視聴者の目と耳をワクワクさせる応用テクニックを活用するのがおすすめです。
応用テクニック | 活用シーン |
---|---|
速度ランプ(段階的に変速) | ドラマチックな動きを演出したいカットで速度の強弱をつける |
音楽シンクロ | BGMのビートに合わせてスピードを微調整しリズム感を強化 |
スピードトランジション | 異なる倍速クリップをなめらかにつなぎ違和感を減らす |
ハイライトスロー | 見せ場だけを一瞬スローにして視線を集める |
これらのテクニックは、iMovieの速度調整ハンドルやキーフレームを使えば簡単に試せます。プログラマー的なコツとしては、速度変更後にオーディオが不自然にならないように「オーディオを分離」して手動でフェードを付けるとスムーズです。ぜひお好みの組み合わせでオリジナルな見せ方を楽しんでください。
見どころだけ倍速でテンポ良く見せる

長時間の動画でテンポが気になるときは、見どころシーンだけを200%にしてサクッと見せるのがおすすめです。たとえば旅行のハイライトや製品レビューのポイント部分だけを一気に駆け抜けるように見せると、視聴者の集中力が途切れずに次のシーンにワクワク感を持たせられます。
この方法はSNS用の短いダイジェスト動画を作るときにもぴったりです。倍速にしたシーンにはリズミカルなBGMを合わせると、さらに軽快な仕上がりになります。普段長く感じるシーンもさくっと流せるので、視聴維持率アップを狙いたいときにぜひ試してみてください。
分割ツールで注目シーンを切り出す
タイムライン上で切り出したいシーンを目視して、再生ヘッドをその開始フレームに合わせます。
選択中のクリップ上で Command+B
を押すか、右クリックから「クリップを分割」を選んでください。注目シーンが別クリップとして切り出せます。
速度メニューから倍速を適用する
タイムライン上のクリップをタップすると、黄色い枠が表示されます。
クリップを選択したまま、画面下部のスピードメーターアイコンをタップします。
表示されたスライダーを右へ移動し、2倍速に合わせます。
再生ボタンを押して、映像が2倍速になっているか確かめましょう。
複数のクリップを一度に設定するときは、commandキーでまとめて選んで同じ手順を繰り返しましょう。
倍速とスローを組み合わせて緩急を付ける

シーンに合わせて一部分をゆっくり再生して見せ場をしっかり魅せつつ、不要な間を倍速でスキップしてテンポよく仕上げられるのが魅力です。
たとえば冒頭の雰囲気をじっくり伝えたいならスローモーションで余韻を残し、会話や移動シーンは倍速で短くまとめると緩急のあるメリハリ動画に仕上がります。
速度ポップアップでスローを選び対比を作る
タイムライン上で編集したいクリップをクリックします。そのままプレビュー上部にあるスピードアイコン(亀やうさぎのマーク)を押してください。速度調整メニューがポップアップで現れます。
ポップアップの中にある「スロー」をタップします。デフォルトでは50%スピードに変わり、クリップがゆったり再生されます。元のスピードと並べるとメリハリがはっきりしますよ。
トランジションを挿入して切り替えをなめらかにする
iMovieのタイムライン上部にあるトランジションアイコンをクリックして、使いたいトランジション一覧を表示します。
好みのトランジションをドラッグ&ドロップで、つなぎたいクリップとクリップの間に置きます。プレビューで切り替え具合を確認しましょう。
トランジションをダブルクリックして、タイムライン上で長さを0.3〜0.7秒の範囲に設定すると、テンポよく切り替わります。
たくさん使いすぎると動画全体の雰囲気が散らかるので、必要な箇所に絞って使うと効果的です。
BGMのリズムに合わせて速度を微調整する

BGMのリズムと映像の動きをぴったり合わせると、動画がぐっと心地よくなります。お気に入りの曲のビートに乗せてカットを切り替えたり、動きの速さをそろえたりすると、視聴者のテンションも上がります。
最初に曲のBPM(ビート・パー・ミニット)をスマホアプリやWebツールでサクッと測定します。iMovieではクリップを選択して速度>カスタムを開き、秒数やパーセントで調整可能です。再生しながら少しずつ数値を変えてみると、ビートにピタリとハマる瞬間を発見できるはずです。
波形を見ながら速度スライダーを動かす
タイムライン上で編集したいクリップをクリックします。プレビューウィンドウの下側にある設定アイコン(歯車マーク)を押して、「オーディオ波形を表示」を選ぶと、波形がタイムラインに現れます。
クリップを選択したまま、タイムライン上部の速度アイコン(亀とウサギのマーク)をクリックします。表示された速度スライダーを左右にドラッグしつつ、波形が伸びたり縮んだりする様子を確認しましょう。波形の間隔が揃ったところで再生して、不自然な速さや音割れがないかチェックしてください。
波形を見ながら調整すると、音声の途切れや不自然な部分を事前に把握できるので、あとで何度もやり直す手間が減ります。
再生して音と映像のタイミングを確認する
スペースキーを押すかビューワー下の再生ボタンをクリックして動画を再生します。音と映像のズレがないか、波形と動きのタイミングをしっかり確認してください。
もしズレを感じたら、タイムライン上のクリップをドラッグして微調整しましょう。1フレームずつズラすと細かい合わせ込みに便利です。
よくある質問

iMovieで設定できる倍速の上限はどれくらいですか?
- iMovieで設定できる倍速の上限はどれくらいですか?
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iMovieでは最大で2倍速まで設定できます。それ以上の倍率は標準機能では対応していません。もしもっと速い再生が必要なら、動画をエクスポート後に他の編集ソフトやコマンドラインツール(ffmpegなど)で再度速度を調整すると滑らかな動きを維持しつつ好みの倍率にできます。
映像だけ倍速にして音声はそのままにできますか?
- 映像だけ倍速にして音声はそのままにできますか?
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iMovieの基本機能では映像と音声が連動して速度変更されます。映像だけ速くしたい場合は、まずタイムラインでクリップを分割し、音声を「オーディオを分離」で取り出してから、映像クリップだけに速度変更をかけるといいですよ。分離した音声は後から揃え直す必要があるので、タイミングを微調整するのがコツです。
倍速にした動画を高画質で書き出すコツはありますか?
- 倍速にした動画を高画質で書き出すコツはありますか?
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書き出し時は「カスタム設定」でビデオ品質を「高」にしたり、解像度を元のまま維持すると劣化を最小にできます。自分はさらにAppleのProRes 422で一度書き出してから、必要に応じてH.264に変換するワークフローを使っています。こうすると色味やディテールがしっかり残りやすいです。
書き出したら音声が高くなるのを抑えられる?
倍速で編集したあとに「なんだか声が高くなった?」と感じることがあるかもしれません。でも大丈夫ですiMovieは動画のスピードに合わせて自動で音程をキープしてくれます。
それでも気になる場合は、いったん音声をクリップから切り離してから他のツールで処理する方法がおすすめです。GarageBandやAudacityのタイムストレッチ機能を使えば長さを変えても自然な声質を維持できますよ。そのあと元の動画に戻せば、声が変わらずにスムーズな倍速動画が完成します。
iMovieの標準機能ではピッチは崩れませんが、処理の重い長尺クリップは動作がもたつくことがあります。
iMovieで2倍より速くできる?
iMovieの標準機能では最大2倍までだけれど書き出しして再び取り込む手順を繰り返すと、3倍や4倍くらいまで速い動画を作れるよ。外部アプリを使わずに手軽に挑戦できるから、短いクリップをスピーディーに見せたいときにぴったりだよ。ただし書き出しのたびに映像が少しずつ劣化するから、重要なシーンは元データを別に残して画質チェックしながら進めると安心だよ。
速度変更後に画質が落ちるのはなぜ?
動画を早送りにするとiMovieは元の動画を同じ時間内に詰め込もうとするため、不要なフレームをカットしたり同じフレームを連続表示したりします。その結果、動きがなめらかでなくなり、チラつきやブロックノイズが目立つことがあります。
さらに、書き出し時のデータ量は大きく変えずに全体の長さだけ短くしようとするので、ビットレートが1秒あたりに割り当てられる情報量が減ります。これが静止画なら気づきにくいですが、動きが速いシーンだと圧縮痕跡が目立ちやすくなります。
編集中のプレビュー画面は実際の書き出し品質を落として表示しているので、「プレビューだと粗いけど書き出したら意外と綺麗だった」ということもあります。まずは書き出して確認してみると安心です。
注意点:細かい動きが多いアクションシーンや手振れのある映像は、速度変更後に特に画質劣化が目立ちやすいので、必要に応じて手振れ補正や静止シーンのカット編集を組み合わせると見栄えが良くなります。
まとめ

iMovieで倍速動画を作るには、まず編集したいクリップをタイムラインに追加し、速度メニューから「速く」を選びます。数値入力やプリセットから好みの再生速度を指定し、プレビューで動きを確認しながら微調整していきます。
速度変化を滑らかに見せたいときは、クリップの前後に速度キーフレームを入れて徐々に変化させる方法がおすすめです。仕上がったら書き出しメニューから動画を保存し、SNSやプレゼンで活用してください。楽しく編集しながら、思い通りの素敵な倍速動画をシェアしましょう。