iMovieで仕上げた動画の最後をきれいに締めたいのに、音楽フェードアウトの調整がうまくいかず、曲がぶつ切りになって困っていませんか。
このページでは、マウスでドラッグするだけの簡単な方法から秒単位で長さをそろえる応用テクニックまで、実際に編集現場で使われている手順を惜しまず紹介します。設定の落とし穴や音量バランスの目安も合わせて解説するので、最初から最後まで音が自然に溶け込む仕上がりを目指せます。
動画をもっと心地よい余韻で終わらせたい方は、以下のガイドに沿って操作するだけで安心してフェードアウトを完成させられます。Macが初めてでもすぐに試せますので、手を動かしながらステップを確認してみてください。
iMovieで音楽をふんわりフェードアウトするやさしい手順

iMovieで音楽を自然にフェードアウトさせたいと感じたことはありませんか。動画の終わりに音がパタッと切れると違和感が残りますよね。
ここでは実際に10年以上Macを使い込んできた経験をもとに、クリップの端をドラッグする方法とオーディオインスペクタから調整する方法の2つをやさしく紹介します。どちらも最新のmacOS Ventura とiMovie 10.3で試した手順なので、そのまま真似して大丈夫です。
- クリップ端をドラッグしてフェードアウト:オーディオ波形の左右にある小さな丸をドラッグしてフェード時間を決める
- オーディオインスペクタでフェード量を指定:インスペクタのフェーダーでフェードイン/アウトの秒数を数値入力
以上の方法でしっくりこないときは、精密オーディオエディタを開いて波形単位でキーフレームを打つと細かいタイミングまでコントロールできます。エンジニアならではのコツとして、0.1秒単位で調整すると格段にプロっぽく聴こえます。
ドラッグでさっと作るフェードアウト

一番手軽なのはオーディオクリップの端をマウスでぐっとつかんでドラッグする方法です。再生しながら、直感的に音がこもる感じを確かめつつフェードアウトできるので、初めてでも迷わずすばやく仕上げられます。
- クリック&ドラッグで直感操作:複雑な設定なしでサクッと調整できる
- リアルタイムプレビュー:再生しながら仕上がりをすぐ確認できる
- 細かい数値不要:小難しい数字は気にせず感覚重視の編集
- サクサク動く操作感:編集のテンポを崩さずに効率化
プログラマー視点の小ワザとして、タイムラインをズームインするとドラッグ範囲が微調整しやすくなります。これで細かなフェード具合を思い通りにコントロールできます。
①プロジェクトを開きタイムラインに曲を置く
MacのDockまたはアプリケーションフォルダからiMovieを起動します。メイン画面が開いたら、編集したいプロジェクトをクリックしてタイムラインを表示してください。
画面上部の「メディアを読み込む」ボタンをクリックして、Finderから使いたい音楽ファイル(MP3やAAC)を選びます。読み込みが終わったら、曲のクリップをタイムラインのオーディオ欄にドラッグ&ドロップしてください。
②タイムラインの右端へスクロールして曲クリップを選ぶ
トラックパッドを左右にスワイプするか、マウスの横スクロールでタイムラインを右へ動かしてください。
オーディオクリップの末尾が見えたら、クリップ上をクリックして選択します。選択されたクリップは黄色の枠で強調されますので確認してください。
③オレンジのフェードハンドルを右端から左へドラッグして長さを決める
オーディオクリップの右端にあるオレンジのフェードハンドルをつかんで左へドラッグします。ドラッグする長さでフェードアウトする時間を決めることができます。音が自然に消えるタイミングを意識しながら、好みの長さまでゆっくり動かしてみてください。
④スペースキーで再生して耳でチェックする
フェードアウトを設定した位置に再生ヘッド(再生開始マーカー)を合わせて、キーボードのスペースキーを押してください。
再生される音声を注意深く聞きながら、音量がなめらかに下がっているかチェックしましょう。
もしフェードの長さや位置がイメージとずれていたら、ドラッグで調整してもう一度スペースキーで確認してください。
数値でぴったり決めるフェードアウト

iMovieのオーディオクリップでは、フェードアウトの長さをマウス操作だけでなく数値入力で細かく設定できます。オーディオインスペクタを開いてフェードアウトの秒数を直接入力すれば、たとえば3.5秒や2.2秒といった微調整がラクにできるのが魅力です。曲の終わりのタイミングをビートにぴったり合わせたいときや、他のトラックとのバランスを考慮して正確にフェードさせたいときにおすすめの方法です。
①曲クリップをクリックで選ぶ
タイムラインに配置した音楽クリップを見つけたら、マウスでそっとクリックしてみてください。クリップが黄色い枠で囲まれたら選択完了です。
②右上のインスペクタボタンをクリックする
iMovieの右上にあるスライダーアイコンを探してください。ここをクリックすると音量やフェード設定などの詳細メニューが表示されます。
ウィンドウ幅が狭いとアイコンが隠れてしまうことがあります。画面右上の端をドラッグして広げてからもう一度クリックしてください。
③オーディオのフェードアウト欄に秒数を入力する
音量調整パネルのフェードアウト欄をクリックして、数値入力モードに切り替えます。
キーボードで希望のフェード時間(例:2.5秒)を入力してEnter
キーを押してください。
数値を変えるたびに再生ヘッド位置でプレビューが動くので、映像に合わせて滑らかな余韻を確認しましょう。
④再生して長さを確かめる
タイムライン上の再生ヘッドをドラッグして音楽クリップの先頭に合わせます。
プレビュー画面の再生ボタンをクリックして、音楽がやさしくフェードアウトするまで流します。全体の長さがイメージどおりか確認してください。スペースキーで再生と停止を切り替えられます。
必要に応じて音楽クリップのフェードハンドルを左右にドラッグして、好みの長さまで調節します。
プレビューがカクつく場合は、画質設定を「高速再生」に変えると滑らかになります。
フェードアウトを使ったちょい技で動画の余韻をアップ

フェードアウトをちょい技として取り入れると、動画のラストシーンやシーン切り替えがより印象に残ります。プログラマー視点でピクセル単位のタイミング調整をした経験から、音と映像の終わりに絶妙な余韻を与えるコツをまとめました。
応用テクニック | 活用シーン |
---|---|
シーン転換の余韻強化 | 切り替え直前から音をゆっくりフェードアウトして、次の場面への期待感を演出 |
自然なエンドロール | クレジット背景にBGMをしなやかにフェードアウトさせて、視聴後の余韻を大切に |
ダイアログからBGM移行 | 会話が終わる直前に音楽をフェードアウトし、次のナレーションや効果音を引き立てる |
印象的なラストカット | 映像のフィナーレと合わせてBGMを徐々に消し、映像だけの余白を際立たせる |
これらのテクニックを使うと、ただ切れるだけの音が、ストーリーを語る余韻に変わります。実際のプロジェクトでタイミングをミリ秒単位で調整したノウハウを活かして、あなたの動画にもさりげない感動をプラスしてみてください。
映像の暗転と同時に音を溶かすクロスディゾルブ

映像を暗くしながら音も自然に消えていくクロスディゾルブは、ビデオとオーディオを同時に扱いたいときにぴったりの方法です。画面の繋ぎ目で映像がなめらかにつながると同時に音量も徐々に下がり、まるでシーンごと溶け合うような仕上がりになります。
特に撮影現場でカットの切れ目がはっきりしやすいインタビューやドキュメンタリー作品では、映像だけでなく音声の繋がりまで気を配るとグッとプロっぽい印象になります。iMovieならトランジションをドラッグするだけで両方に同じ効果をかけられるので、手間なくクオリティアップが叶います。
タイムラインの最後に黒い画像を1秒挿入する
iMovieの上部メニューから「背景」をクリックし、サムネイル一覧にある「黒」を選びます。それをタイムラインの一番最後までドラッグしてください。
タイムライン上の黒いクリップを選択し、右上に表示される時間表示をダブルクリックします。現れた入力欄に「1.0」と入力しEnterキーを押すと、1秒の長さにぴったり合わせられます。
黒い画像のトランジションをディゾルブに変える
黒い画像の切り替えをなめらかなディゾルブに変えると、フェードアウトが優しい印象になります。
まず、タイムライン上で黒い画像のクリップをクリックして青枠で選びます。
選択中にキーボードで⌘+T
を押すと、デフォルトの「ディゾルブ(クロスディゾルブ)」が挿入されます。
黒い画像に合わせてBGMのフェードアウトハンドルを調整する
タイムライン上で黒い画像が表示される最初のフレームをクリックして再生ヘッドを合わせます。
オーディオクリップの右端に見える白いフェードアウトハンドルをドラッグして、再生ヘッドの位置にぴったり重なるように移動させます。
黒い画像を後から伸縮するとフェード位置もずれるため、最後にもう一度合わせると安心です。
曲を切り替えるときにBGM同士をやさしくブレンド

次のBGMへ移るときに音がぱっと途切れると少し不自然に感じますよね。お気に入りの曲同士をやさしくつなげるには、iMovieの音量ハンドルを使って重なり合う部分をフェードさせる方法がおすすめです。手を動かすたびに違いがはっきりわかるので、実際の編集作業が楽しくなりますよ。
- 自然なつながりにする:切り替えポイントを重ねることで、聞き手が曲の切り替えを感じにくくなる。
- 雰囲気を保つ:両方の曲の余韻を活かして、場面に合わせた演出をスムーズにキープできる。
- シーンに合わせやすい:セリフや効果音の前後でも音量調整がしやすく、映像全体の流れを壊さない。
1曲目の終わりにフェードアウトハンドルを設定する
タイムライン上の1曲目の終わり付近でオーディオクリップをダブルクリックし、波形がしっかり見えるように広げます。
波形の右上にある小さな白い丸(フェードアウトハンドル)を見つけてクリックします。
ハンドルを左へドラッグしながらフェードアウトの長さを決めます。おおよそ1秒から2秒が自然に聞こえる目安です。
スペースキーで再生し、曲の終わり方を聞きながらハンドル位置を微調整します。
フェードの長さが長すぎると曲末がぼやけるので、適度な長さを意識してください。
2曲目の始まりにフェードインハンドルを設定する
タイムラインで2曲目の音楽クリップをクリックして選択し、左上に表示される小さな白い丸い点(フェードインハンドル)があるか確かめます。
ハンドルをクリックしたまま右方向へゆっくりドラッグし、再生しながら好みのフェード長さ(0.5秒〜2秒程度)に合わせます。微調整しやすいように少しずつ動かして確かめてみてください。
重なり具合をドラッグして自然なつながりを作る
フェードポイントの直前でクリップ同士を軽く重ねるとシームレスに音がつながります。
タイムラインで音楽クリップの端にカーソルを合わせてドラッグしながら前後のクリップに少しだけ重なるように調整してください。動かす距離は0.1〜0.3秒程度を目安にすると自然なつながりが生まれます。
重ねすぎると元の音量バランスが崩れる場合があります。
効果音をさりげなく消すボイスオーバー合わせ技

動画に効果音をたっぷり入れたあとでナレーションを重ねると、つい声が埋もれてしまうことがあります。そんな場面で便利なのが効果音をさりげなくフェードアウトさせつつ、そのタイミングでボイスオーバーをオンにする合わせ技です。声のパートだけが自然に浮かび上がり、聞き心地の良い仕上がりになります。
- 声を埋もれさせず:ナレーションがクリアに届く
- 自然なつながり:効果音の余韻を活かしつつ切り替え
- プロっぽい仕上がり:視聴者の集中力を維持
実際には、タイムライン上で効果音クリップの終わりにフェードアウトハンドルをドラッグして音量を徐々に下げ、その直後にボイスオーバーのクリップを少しだけ重ねるだけです。このちょっとした工夫で声と効果音がケンカせず、映像の印象がグッと引き締まります。
ナレーションクリップを挿入前に効果音クリップにフェードアウトハンドルを追加する
タイムライン上でナレーションを挿入する前に、フェードアウトを入れたい効果音のクリップをクリックして選んでおきます。
クリップの右端に現れる小さな丸(フェードアウトハンドル)にカーソルを合わせ、希望の長さまで内側にドラッグしてフェードアウトを設定します。
フェードアウトハンドルが見当たらない場合は、タイムラインのズームレベルを上げると表示されやすくなります。
ナレーションクリップのフェードインハンドルを短く設定する
タイムラインでナレーションクリップを選んだら、左上にある小さな丸いハンドルにカーソルを合わせてください。そのまま内側へドラッグするとフェードインの長さを短くできます。
プレビューを再生しながら微調整すると、ナレーションが自然に始まるタイミングがつかみやすいです。
BGMの音量をオーディオダッキングで下げる
BGMの音量を効果的に抑えたいときはオーディオダッキングを使いましょう。ナレーションや効果音が再生されるときに、バックグラウンドミュージックを自動的に小さくできます。
タイムライン上で音量を下げたいBGMのクリップをクリックして選びます。
プレビューエリア上部のスピーカーアイコン(オーディオ調整)をクリックします。
「オーディオダッキング」チェックボックスにチェックを入れて、自動的に音量を下げる設定にします。
スライダーを動かして、ナレーション再生時のBGM音量を好みのバランスにします。
よくある質問

- フェードアウトの開始タイミングを微調整するには?
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トラック上の音楽クリップ端をドラッグすると、開始位置が変わります。ドラッグ操作に集中しすぎず、プレビューを再生しながらゆっくり合わせると感覚的に調整しやすいです。
- フェードアウトの長さを細かく設定できますか?
-
iMovie本体ではスライダー操作が主になりますが、Audioインスペクタを開くと数値表示とスライダーが連動します。数値を意識しながら調整すると、フェード時間を同じ長さで揃えたいときに便利です。
- BGMがつなぎ目で途切れやすいときの対策は?
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クリップ同士を重ねてクロスフェードを入れると滑らかにつながります。また、フェード曲線を緩やかにすれば不自然な音量変化を抑えられます。
フェードハンドルが表示されないときは?
フェードハンドルはオーディオ波形の両端にある丸いアイコンなので、表示されないと「どこにあるのかな?」と迷いますよね。
- 対象のクリップをクリックして選択されているか確認
- タイムライン上部アイコンの波形表示ボタンをクリックしてオンに切り替え
- iMovieが最新バージョンかシステム環境設定>ソフトウェア・アップデートでチェック
- 表示がおかしいときは一度プロジェクトを保存後にiMovieを再起動
再起動しても出ないときは新規プロジェクトで同じ操作を試すと、設定トラブルかどうか見分けやすいです。
オーディオインスペクタが見当たらない?
オーディオインスペクタが見当たらないときは、まずフェードさせたい音楽クリップをクリックしてアクティブにしてください。そのあと画面右上にあるインスペクタボタンを押すと、切り替わってオーディオインスペクタが現れます。キーボードで呼び出す場合はCommand+Option+4キーを同時に押してみてください。もしプロジェクトブラウザやプレビューが広がっていて隠れているなら、ウィンドウの端をドラッグして横幅を広げるとサイドバーが見えてきます。
フェードアウトが急に途切れるのはなぜ?
iMovieではフェードアウトの長さがデフォルトで短めに設定されているため、長いフェードを狙うと途中で音がスパッと切れたように聞こえやすくなります。
また、クリップの終端より長いフェード時間を選ぶと、自動的にクリップ終わりまでフェードが適用される仕様になっています。もっとゆったりとしたフェードアウトにしたいときは、クリップを分割して余裕を持たせたり、フェードハンドルを末尾までしっかりドラッグしてみてください。
iPhone版iMovieでも同じようにできる?
iPhone版iMovieでも音楽クリップの両端にある小さな丸いハンドルを使ってふんわり音をフェードアウトできます。クリップをタップして選択したあと、表示された白い丸いハンドルを左右にドラッグすればOKです。
- クリップを拡大すると丸いハンドルがつまみやすくなる
- タップが反応しにくいときは少し長押ししてから離すと確実に選択できる
- フェードできる長さは最大10秒程度なので、もっと長くしたいときはMac版で調整するといい
さくっと指先だけでできるので、移動中や外出先でもさっと音量を整えられて便利ですよ。
まとめ

iMovieで音楽をふんわりフェードアウトするには、まずタイムラインの音楽クリップを選んで、オーディオ波形の端に出てくるフェードハンドルをドラッグするだけです。音楽がやさしく消えていく調整を楽しめます。
プログラマーらしく、フェード時間を秒単位で整えたり、複数のクリップに同じ設定をコピペする方法も使えます。これで動画編集の効率がぐっと上がります。
慣れてきたら、音量オート調整やオーディオトラックを重ねるテクニックもぜひ試してみてください。お気に入りのBGMが自然に切れて、見る人の心地よさがアップします。
さあ、いつもの動画にやさしいフェードアウトをプラスして、サウンド編集をもっと楽しくしていきましょう。