Macのメール設定で送受信しようとしたとき、パスワードをどこで見ればいいのか確認方法が分からず手が止まっていませんか?
Keychainアクセスを使った安全な閲覧手順と、ターミナルでの素早い確認、さらに複数端末への同期まで、実体験で磨いたコツを交えながら分かりやすく解説します。
準備するものは管理者パスワードだけです。手順を一緒にたどることで数分後には受信エラーの心配が消え、安心して作業に集中できますので、どうぞ肩の力を抜いて進めてみてください。
MacメールのパスワードをKeychainで確認する手順

メールアカウントのパスワードは、Keychain Access(キーチェーンアクセス)でサクッと確認できます。プログラマーならではのちょっとしたコツも交えつつ、流れをざっくりお見せしますね。
- キーチェーンアクセスを起動:Finderの「移動」>「ユーティリティ」から起動するか、Spotlightで「Keychain Access」と入力して開きます。
- メールアカウントを検索:ウィンドウ左上の検索欄に「imap」「smtp」「メールアドレス」などを入れると候補が絞れます。
- パスワードを表示:目的の項目をダブルクリックして、詳細ウィンドウを開き、「パスワードを表示」にチェックを入れます。
- 管理者認証:Macのログインパスワードを求められるので入力すると、隠れていたパスワードが見られます。
注意:管理者権限がないとパスワードの表示ができません。社用Macなどで制限されている場合は、IT管理者に頼んでみてください。
Keychainアクセスから探す方法

Keychainアクセスを使う方法は、macOSに保存された認証情報をまとめて見られるのが魅力です。メールアカウントだけでなく、Webサイトやアプリのパスワードも同じ画面で確認できます。
普段からKeychainアクセスに慣れていると、Finderからアプリを起動して、上部の検索ボックスに「メール」やアカウント名を入力するだけで目的の項目がすぐ見つかります。OS標準なので追加のソフト不要で、オフライン環境でもサクッとチェックできるのがうれしいです。
エンジニア視点のちょっとしたコツとして、並び替えで「最終変更日」を使うと、最近更新したアカウントが上位に来るので狙いのパスワードをより手早く探せます。
①DockのLaunchpadをクリック
まず画面下部のDockを確認して、ロケット型のアイコンLaunchpadをクリックします。Dockが隠れているときは画面下端へカーソルを動かすと自動で現れます。
もしキーボードを使いたいときは、F4キーを押すとLaunchpadが開くので覚えておくと便利です。
②「その他」フォルダからKeychainアクセスを開く
DockでもFinderでもなく、まず画面下部のLaunchpadアイコンをクリックしてください。
Launchpadのアプリ一覧が表示されたらその他というフォルダを探します。並び順はインストール順なので、気になるときは画面左下の検索ボックスで「その他」と打ってもOKです。
「その他」フォルダを開いたらKeychainアクセスアイコンをダブルクリックするとユーティリティが起動します。この流れだとアプリケーションフォルダを一つずつ開かなくてもサクッと見つけられます。
③検索欄にメールサーバ名や「IMAP」を入力
Keychain Accessの右上にある検索欄をクリックして、メールアカウントで使っているサーバ名(例:imap.example.com)か「IMAP」を入力します。入力すると項目がすばやく絞り込まれます。
サーバ名を正しく入力すると目的のアイテムがすぐに見つかるので、メールの設定画面でホスト名を確認してから検索すると安心です。
④対象の項目をダブルクリックして情報を開く
Keychain Accessのリストから、メールアカウントやメールアドレスが記載された項目を見つけてダブルクリックします。ダブルクリックすると詳細情報のウィンドウが開きます。
ウィンドウ下部にある「パスワードを表示」のチェックボックスをオンにし、表示の許可を求められたらMacの管理者パスワードを入力すると、隠れていたパスワードが見えます。
⑤「パスワードを表示」にチェックを入れ管理者パスワードを入力
Keychain Accessのウィンドウで「パスワードを表示」にチェックを入れます。
管理者権限を求めるダイアログが表示されたら、Macの管理者アカウントのユーザ名とパスワードを入力してください。
認証が通ると隠れていたパスワードが見えるようになります。
ターミナルでサクッと確認する方法

ターミナルを開いてsecurityコマンドを使う方法なら、何度もGUIを往復せずにパスワードをサクッと確認できます。最新版macOS(Ventura以降)で動作検証済みなので安心です。
コマンド操作に少し慣れている人向きですが、管理者パスワードを入力するだけでKeychainからメールアカウントのパスワードを一気に取り出せるのが大きな魅力です。
①ユーティリティからターミナルを起動
DockのLaunchpadアイコンをクリックします。
Launchpadで「その他」と書かれたフォルダを見つけて開きます。
一覧に並ぶユーティリティの中から「ターミナル」をクリックして起動します。
②securityコマンドでメールサーバを検索
メールサーバのエントリを探す準備ができたら、Terminalを起動します。
以下のコマンドでKeychainから指定したサーバ名の項目を検索できます。-gを付けるとパスワードが出力されます。
security find-internet-password -s サーバ名 -g
たとえばIMAPサーバを調べるときは次のようにします。
security find-internet-password -s imap.example.com -g
初回実行時、「Keychainにアクセスしてよいか」という確認が出るので許可を選んでください。
③表示されたpassword行をメモ
ターミナルにズラっと出てきた中からpasswordと書かれた一行を探します。行の先頭にある英数字が実際のパスワードです。
マウスでドラッグしてコピーしたり、スクリーンショットを撮ったりすると便利です。
コピーしたパスワードは安全な場所に保存してください
パスワードを確認できたら試したい便利ワザ

パスワードを確認できたら、ひと手間加えてもっと快適に使いこなしましょう。キーチェーンの自動入力やTouch ID連携など、実際に役立つ応用ワザをまとめました。
応用ワザ | 役立つ場面 |
---|---|
キーチェーンの自動入力設定 | メール起動時にパスワードを入力せずにサクッとログインしたいとき |
Touch ID/Face ID連携 | 指紋や顔認証で素早くメールをチェックしたいとき |
アプリパスワードの発行 | GmailやiCloudでセキュリティをキープしつつサードパーティアプリを使うとき |
フィルタ&転送ルール設定 | 複数アカウントの受信を自動で仕分けしたいとき |
2段階認証の有効化 | アカウントをより安全に守りたいとき |
複数のMacやiPhoneにすぐ同期させる

iCloudキーチェーンをオンにしておくと、Macで確認したメールパスワードがすぐにiPhoneやほかのMacに反映されます。
同じApple IDでサインインしていれば、特別な設定は不要です。キーチェーンアクセスで「iCloudキーチェーン」をチェックしておくだけで、面倒なパスワード入力から解放されます。
もし同期に時間がかかるときは、ネットワーク接続を見直したり、iCloud設定をいったんオフ/オンすると改善することがあります。
iCloudキーチェーンをオンにして各端末でメールを再読み込みする
まずMacでアップルメニューからシステム設定を開き、サイドバーのApple ID→iCloudを選択します。iCloudキーチェーンのスイッチをクリックしてオンにしてください。
続いてメールアプリを⌘+Qで終了してから再度起動し、⌘+Rを押して受信を更新します。これで最新のパスワード情報が反映されます。
同様にiPhoneやiPadも設定アプリを開き、自分の名前→iCloud→キーチェーンをオンにします。ホーム画面に戻ってメールアプリを終了→再起動し、パスワード同期を確認しましょう。
プログラマー視点のコツ:すべての端末で同時にiCloudキーチェーンを有効にしておくと、パスワードの同期がよりスムーズに進みます。
古いキーチェーン項目をお掃除してスッキリ

長いあいだMacを使っていると、キーチェーンに古いメールアカウントのパスワードや重複した認証情報がたまってしまいます。それらをそのまま放置すると、ログインエラーが増えたり、動作がもたついたりすることがあります。古いキーチェーン項目をお掃除すると、Macメールがサクサク動いて気分もスッキリします。
- 余計な認証情報が減り、エラーが起きにくくなる
- 重複エントリがなくなって検索や管理がラクになる
- 不要な証明書を整理でき、起動や接続がスムーズに
普段から定期的に見直しておくと、いざというときのトラブルシュートが簡単になります。鍵マークのついた項目を確認して、使っていないものや古いパスワードは思い切って削除してみてください。
不要なメールアカウントのパスワードを右クリックで削除する
画面右上のSpotlightアイコンをクリックして「Keychain Access」と入力し、Enterキーで開きます。プログラマー視点ではSpotlightは最速ランチャーなので活用しましょう。
左側で「ログイン」を選び、右上の検索バーに該当のメールアドレスやメールサーバーのホスト名を入力します。不要な項目があれば一覧に絞られます。
リストに残った不要なパスワード項目をControlキーを押しながらクリックし、「削除」を選びます。ダイアログで「削除」をもう一度押して完了です。
必要以上に多くのキーを消してしまうと、他のアプリサインイン時に再度認証が求められることがあります。
パスワード管理アプリへ安全に登録する

Keychain Accessで見つけたMacメールのパスワードは、最新のmacOS Sonoma対応1Password 8やBitwardenなどのパスワード管理アプリに登録しておくと安心です。暗号化された状態で保存されるので、ほかの端末やブラウザ拡張からも安全に呼び出せ、使い回しや入力ミスを大幅に減らせます。
プログラミング中に新しいサービスへサインアップするときも、アプリを開かずにワンクリックで自動入力できるので、スムーズに作業を進めたい人にぴったりです。
1PasswordやBitwardenにコピペしラベルを付けて保存する
Keychain Accessで表示されたパスワードをドラッグして選択し、⌘+Cでコピーします。
1PasswordまたはBitwardenを起動し、新規ログインアイテムの追加画面を開きます。
ユーザー名やパスワード欄をクリックし、⌘+Vで貼り付けます。
「ラベル」「タグ」欄にMacメールやメールアカウントなど分かりやすい名前を入力すると、後で探しやすくなります。
保存ボタンをクリックして完了です。
複数のボールトを使う場合は、信頼できるプライベート用ボールトに保管すると安心です。
よくある質問

Keychainでメールアカウントのパスワードが見つかりません
- Keychainでメールアカウントのパスワードが見つかりません
-
「すべての項目」を選んでから、フィルタ欄にメールアドレスを入れると隠れたアイテムも表示されやすくなります。plistを直接触るより安全なので、まずはこちらで探してみてください。
パスワードを変更したのに再ログインを求められます
- パスワードを変更したのに再ログインを求められます
-
古いKeychainアイテムが残っていると優先される場合があります。古いアカウントやサーバー名で絞り込んで不要なものを削除し、メールアプリを再起動すると新しいパスワードが正しく使われます。
二段階認証アカウントのアプリ専用パスワードがわかりません
- 二段階認証アカウントのアプリ専用パスワードがわかりません
-
GoogleやYahoo!など二段階認証を使うサービスでは、専用パスワードをウェブ側で発行が必要です。ブラウザでアカウント設定に入り、「アプリパスワード」を生成してKeychainに登録するとスムーズに接続できます。
Keychainアクセスでパスワードがグレーアウトしているのはなぜ?
Keychain Accessは大切な情報を守るため、アイテムを開いた状態でもパスワード欄に保護をかけていて、そのままだとグレーアウトしています。
パスワードを表示したいときは、該当する項目をダブルクリックして詳細ウィンドウを開き、左上の錠アイコンをクリックしてmacのログインパスワードを入力してください。認証が通るとグレーアウトが解除され、パスワードを見るチェックボックスが選択可能になります。
もしチェックボックスがまだ操作できないときは、現在サインインしているアカウントに管理者権限があるか、iCloudキーチェーンが正しく同期されているかを確認するとスムーズです。
管理者パスワードを忘れたときは?
管理者パスワードがわからないとKeychainのロックを解除できず、メールパスワードの確認がストップしてしまいます。
まず試したいのはApple IDを使ったパスワードのリセットです。ログイン画面で「パスワードをお忘れですか?」をクリックし、Apple IDと紐づけていれば画面の案内に沿って新しいパスワードに変更できます。
もしApple IDによるリセットができない場合は、macOSの復旧モードを使ってパスワードを初期化しましょう。電源を入れ直して⌘+Rで起動し、「ユーティリティ」>「ターミナル」からresetpassword
コマンドを実行すると、新しいログインパスワードを設定できます。
プログラマー視点の一言として、ロック解除後にKeychainが古いパスワードを求める場面に備え、~/Library/Keychains/
フォルダを別名でバックアップしておくと、あとで元のキーチェーンを試せるので安心です。
iCloudキーチェーンをオフにしていても確認できる?
iCloudキーチェーンをオフにしていても、このMacにローカル保存されているKeychainには影響がないので、メールパスワードはしっかり確認できます。
ただし、iCloud同期が切れていると他のデバイスとの共有は行われないので、同期前に保存したパスワードだけが対象になります。同期オフ後に追加したアカウント情報は表示されない点に気をつけてください。
ターミナルコマンドで何も表示されないときは?
ターミナルが何も返してこないときは、まず指定したサービス名やアカウント名がKeychainに登録されている表記とぴったり合っているかを確かめてみましょう。大文字小文字やスペース抜けが原因でヒットしないことがよくあります。
コマンド操作に自信がない場合は、Keychain Accessアプリを使ってみるのがおすすめです。アプリを開いたらサイドバーから「ログイン」を選んで、画面右上の検索欄にメールアドレスを入力すると、関連するパスワード項目が一覧で見つかります。
それでも見つからないときは、ターミナルがKeychainにアクセスする権限を持っているかをチェックしましょう。システム環境設定のセキュリティとプライバシーでフルディスクアクセスやキーチェーンアクセスにターミナルを追加しておくと、コマンドで確実に情報が取り出せるようになります。
まとめ

Keychain AccessでMacメールのパスワードを見つければ、新しいパスワードを入力せずにメール送受信が再開できます。
- Keychain Accessを開いて、メールアカウントのキーチェーン項目を検索する。
- 表示されたパスワードをコピーして、メールアプリのアカウント設定に貼り付ける。
- それでも届かない場合は、プロバイダーの管理画面からパスワードを再発行する。
以上の手順でパスワードの悩みはすっきり解消できます。これでまた安心してメール操作を楽しんでくださいね。