Macの設定を変えた覚えがないのに、トラックパッドでのスクロール方向が何だか逆になったようで戸惑っていませんか?
設定画面でのチェックボックス操作に加え、ターミナルのコマンドや専用ユーティリティを活用することで、場面に合わせて向きを瞬時に切り替えられます。作業効率を保ちつつ指の感覚をそろえられる点が大きな利点です。
まずはチェックボックスで試し、次にコマンドやユーティリティで自分のスタイルを作ってみませんか。指の動きと画面の動きがぴたりと合えば、ブラウジングもコード入力もぐっと楽になります。さっそく快適なスクロール体験を手に入れましょう。
Macトラックパッドのスクロール方向を好きな向きに変える手順

トラックパッドをこすったときに画面が思いどおりに動かないと、ついイライラしちゃいますよね。でも安心してください。Macならシンプルに好みのスクロール向きに切り替えられます。
- システム設定からの切り替え:アップルメニューから〈システム設定〉→〈トラックパッド〉→〈スクロールとズーム〉を開き、「スクロールの方向:ナチュラル」のチェックをオン・オフするだけで直感的に切り替わります。
- ターミナルコマンドを使う:プログラマー的にさくっと変えたいときは、ターミナルで以下のコマンドを実行するとすぐ反映します。
反映されない場合はログアウトか再起動を試してみてください。defaults write -g com.apple.swipescrolldirection -bool false
初心者さんはまずシステム設定から試すのがおすすめです。作業がはかどるスクロール感覚を見つけて、快適なMacライフを楽しんでくださいね。
システム設定から変える方法

macOSに標準で用意されているシステム設定からサクッと切り替えられます。慣れ親しんだ環境で迷わず変更できるので、初めて設定をいじる方でも安心です。
GUI操作だけでなく、プログラマー目線ならターミナルのコマンドで一気に反転させる裏ワザもあります。マシンを複数管理しているときには、スクリプト化して同じ設定をまとめて反映できるのがうれしいポイントです。
①メニューバーのをクリックしてシステム設定を開く
画面左上のアップルマーク()をクリックするとメニューが開きます。その中にあるシステム設定を選ぶと設定画面へ移動します。
②左側リストでトラックパッドを選択する
システム設定のウインドウ左側に並んだメニューから「トラックパッド」を探してクリックします。スクロール設定やタップの感度を調整する画面に切り替わります。
③スクロールとズームタブをクリックする
「トラックパッド」の設定画面で見つかるスクロールとズームタブを選んでクリックします。タブが選択状態になれば準備完了です。
④スクロール方向ナチュラルのチェックを外す
「システム設定」を開き「トラックパッド」をクリックします。
「スクロールとズーム」タブ内にあるスクロール方向:ナチュラルのチェックを外します。
⑤設定を閉じてスクロールを試す
システム環境設定のウインドウを閉じてトラックパッドの上で指を上下に動かしてみます。ページが指の動きと同じ方向に動けば設定が反映されています。もし合わないときは、再度設定を開いてスクロール方向が正しく選ばれているか確かめてください。
ターミナルで瞬時にオンオフする方法

ターミナルから専用コマンドを打つだけでスクロールの向きを瞬時に切り替えられます。システム環境設定を行ったりマウスアイコンを探したりしなくていいので、スピード重視の人にはぴったりです。
また、コマンドをシェルのエイリアスに登録すればワンクリックでオンオフを切り替えられます。プログラミング作業の合間でもストレスなく設定変更ができる、エンジニアならではの小技です。
①アプリケーションフォルダからユーティリティ内のターミナルを開く
まずはDockのFinderアイコンをクリックして、Finderウィンドウを開いてください。
サイドバーにある「アプリケーション」を選び、一覧の中から「ユーティリティ」フォルダを探します。
「ユーティリティ」フォルダをダブルクリックして中に入り、「ターミナル」を見つけたらダブルクリックして起動しましょう。
②defaultsコマンドで向きを切り替えるコードを入力する
ターミナルを開いて以下のコマンドを入力し、Enterキーを押します。
defaults write NSGlobalDomain com.apple.swipescrolldirection -bool false
コマンドをすぐ反映させたい場合は続けて以下を実行します。
killall cfprefsd
③enterキーで実行しログアウト後に効果を確かめる
ターミナルで先ほど入力した設定コマンドを確定するには、Enterキーを押します。これだけで新しいスクロール設定がシステムに書き込まれます。
defaults write -g com.apple.swipescrolldirection -bool false
Enterキーを押したあとはAppleメニューからログアウトして、再度ログインしてください。ログイン後にスクロール方向が変わっているか確かめられます。
ログアウトすると開いているアプリがすべて終了するので、作業中のファイルは必ず保存しておいてください。
スクロール方向を切り替えて作業をもっと快適にする応用ワザ

いつものスクロール切り替えをもっと便利にするために、日々の作業で役立つ応用ワザをまとめました。
応用ワザ | 活かしどころ |
---|---|
BetterTouchToolでアプリ別切り替え | よく使うアプリごとに自動でスクロール方向を設定 |
Automator+Shellスクリプトでワンクリック | Dockやメニューバーから瞬時に切り替えられる |
キーボードショートカット設定 | ショートカット一発で逆スクロール⇔標準スクロールを行き来 |
内蔵/外部トラックパッド別設定 | デバイスごとに好みのスクロール設定を保存 |
プロファイルをバックアップ | Time Machineと組み合わせて設定をすぐ復元 |
これらの応用ワザを取り入れて、スクロール操作を自分好みにブラッシュアップしましょう。
アプリごとに向きを変えられるユーティリティを使う

毎日ブラウザでナチュラルスクロールを楽しんでいるけれど、画像編集ソフトでは従来のスクロールがしっくりくる…そんなときはBetterTouchToolのようなユーティリティが役立ちます。アプリごとにスクロールの向きを設定できるので、テキストエディタでは自然な動きに、PhotoshopやIllustratorでは昔ながらの上下スクロールに切り替えるといった使い分けが簡単に実現できます。プログラマーならプレビューとコードを行ったり来たりする際に、操作感が一段と快適になります。
Mosをインストールしてアプリ別に設定を登録する
アプリごとにスクロールの向きを変えたいときは、Mosを使うと簡単に設定できます。標準のシステム設定では一律にしか変えられないけれど、MosならChromeではナチュラル、Photoshopでは逆向き、なんてことも自由に登録できます。
公式サイト(https://github.com/Caldis/Mos/releases)から最新のMosのdmgファイルをダウンロードします。MacのOSバージョンを確認して、Universal版またはIntel版を選んでください。
ダウンロードしたdmgを開き、Mosアイコンを「アプリケーション」フォルダへドラッグ&ドロップします。その後アプリケーションフォルダからMosをダブルクリックで起動します。
「システム環境設定>セキュリティとプライバシー>アクセシビリティ」を開き、左下の鍵を解除してからMosにチェックを入れます。これでスクロール制御の許可が与えられます。
Mosのメニューバーアイコンをクリックし「Preferences」を選択。アプリ別設定タブで+ボタンを押して、スクロール向きを変えたいアプリ(例:SafariやPhotoshop)を選びます。向きやスピードを好みに合わせて調整しましょう。
アプリをアップデートしたあと設定がリセットされることがあるので、動作がおかしくなったらPreferencesを開いて再度ルールを確認してください。
ショートカットキーで瞬時に切り替えるスクリプト

プログラマーなら、コードを追いかけながらスクロール方向をすぐに切り替えたい瞬間がありますよね。そんなときに役立つのが、ショートカットキーで起動するトグルスクリプトです。
このスクリプトを一度登録しておくと、設定アプリを開かずにキーひと押しでスクロール方向をオンオフできます。作業の流れを中断せずに切り替えられるので、効率がグッと上がります。
Automatorやシェルスクリプトで簡単に用意できるうえ、好みのキーに割り当てるだけで使いこなせます。わずかな準備で毎日の操作が快適になるので、ぜひ活用してみてください。
Automatorでワンクリックトグルサービスを作る
LaunchpadやSpotlightでAutomatorを起動して、クイックアクションを選んでください。
上部にある「ワークフローが受け取る現在の項目」を「なし」、アプリケーションを「Finder.app」に設定してください。
左側のライブラリから「ユーティリティ」→「シェルスクリプトを実行」をドラッグしてワークフローに入れてください。
以下のbashスクリプトを貼り付けて、現在の設定をトグルできるようにします。
current=$(defaults read NSGlobalDomain com.apple.swipescrolldirection)
if [ "$current" = "1" ]; then
defaults write NSGlobalDomain com.apple.swipescrolldirection -bool false
else
defaults write NSGlobalDomain com.apple.swipescrolldirection -bool true
fi
killall Finder
⌘+Sで名前を「スクロール方向トグル」にして保存します。その後システム環境設定→キーボード→ショートカット→サービスから好きなキーを割り当てましょう。
よくある質問

- スクロール方向を切り替えたのに一部アプリで反映されません
アプリごとに独自のスクロール制御をしている場合があります。設定を変えたあとにアプリの再起動やmacOSのログアウト→再ログインを試してみてください。それでも変わらないときは、アプリ側の環境設定を開いて「自然なスクロール」相当のオプションがないか探すと解決しやすいです。
- マウスも併用していると向きがバラバラになります
トラックパッドとマウスでは別々の設定項目になっていることが多いです。システム設定の「マウス」と「トラックパッド」両方をチェックして、お好みのスクロール向きにそろえてみてください。エンジニア視点では、純正以外のハードを使うときは特に要確認です。
- ターミナルから一括で逆スクロールを設定する方法はありますか
ターミナルでdefaultsコマンドを使うと一気に設定できます。以下のコマンドを実行してからログアウト→ログインするとトラックパッドとマウス両方に反映されます。
defaults write -g com.apple.swipescrolldirection -bool false
boolをtrueにすると元の「自然なスクロール」に戻ります。プログラマーならではの小技として、シェルスクリプトにまとめておくと便利です。
向きを変えてもマウスのスクロールまで変わってしまう?
macOS Ventura以降はトラックパッドとマウスのスクロール設定がいっしょになっているので、トラックパッドだけ反転するとマウスも同じ動きになってしまいます。
「トラックパッドは自然な動き、マウスは従来どおりに使いたい!」というときに便利なのが、無料のScroll Reverserというアプリです。これを使うとトラックパッドとマウスのスクロール向きを個別に設定できるので、とっても快適になります。
古いmacOSでシステム設定が見つからないときは?
古いmacOSでは「システム設定」ではなく「システム環境設定」という呼び名になっていて、SpotlightやDockの歯車アイコンから起動できますよ。Launchpadの「その他」フォルダにも入っているので、慌てずに探してみましょう。設定項目の配置も少し違いますが、基本的に同じ項目が揃っているので安心してくださいね。
元に戻したいときどうする?
DockやSpotlightからシステム設定を起動します。
左側のメニューからトラックパッドを選び、「スクロール方向:ナチュラル」のスイッチをオフにして元の動きに戻します。
BootCampやParallelsのWindows側でも逆にできる?
BootCampを使ってWindowsを起動しているときも、スクロール方向はいじれるよ。Windows側ではBootCampコントロールパネルからタッチパッドの設定を開いて「スクロールの方向」を反転できるんだ。Parallels Desktopの場合は仮想マシンの設定にあるハードウェア→マウスとキーボードで同じくスクロールの向きを調整できるよ。慣れた操作感にそろえておけば、MacとWindowsを行き来しても違和感なく作業できるはずだよ。
まとめ

これまでに紹介した手順で、システム設定からトラックパッドのスクロール方向を好みどおりに切り替えられるようになりました。環境設定パネルを開いて、スクロールとズームの項目を探すだけで、直感的に設定を変更できます。
設定を調整したあとは、新しいスクロール感覚でWebページやドキュメントを軽やかに操作してみてください。慣れてきたら、トラックパッドの他のジェスチャーもカスタマイズして、もっと楽しいMacライフを満喫しましょう。