macで映画を開き説明がなく戸惑い、バリアフリー音声ガイドを利用する方法に迷った経験はありませんか。
このガイドではオーディオ解説を常に自動で流す設定から、作品ごとに好きなタイミングで切り替える裏ワザまでを画面画像なしでも迷わず実践できるよう、手順を一つずつ丁寧にまとめています。さらにキーボードショートカットで瞬時に切り替える設定や、大画面テレビへAirPlayする応用も紹介しています。
あなたのMacが視覚にやさしいシアターに変わるまであと少しです。次の章を読みながら設定を進め、安心して映像の世界を楽しみましょう。
Macのバリアフリー音声ガイドを設定する手順を始めよう

Macでバリアフリー音声ガイドを使う方法は大きく分けて3つあります。それぞれサクッと切り替えられるので、自分に合った手順を選んで始めてみましょう。
- Apple TVアプリで選ぶ:再生コントロールの「オーディオと字幕」からバリアフリー音声ガイドをオンにできます。
- iTunesから設定:再生中の画面にある吹き出しアイコンをクリックすると、利用できる音声ガイドトラックが一覧表示されます。
- システム設定で常に有効化:Appleメニュー→システム設定→アクセシビリティ→バリアフリー音声ガイドの順に進み、「オーディオ解説がある場合は再生」をオンにすると、対応コンテンツで自動的に切り替わります。
どの方法でも数クリックで設定できるので、映画やドキュメントを楽しみながら内容を詳しく聞き取りたいときにすぐ活用できます。
プログラマーならではの応用として、Automatorで「音声ガイドオン/オフ切り替え」サービスを作ってメニューバーに登録すると、ワンクリックで設定画面を開く手間を省ける工夫もおすすめです。
システム設定から音声ガイドを常にオンにする

システム設定から音声ガイドを常にオンにしておくと、Apple TVアプリやiTunesだけでなく、動画を再生できるほとんどのアプリでオーディオディスクリプション(音声ガイド)が自動的に再生されます。毎回再生コントロールを開く手間がなくなるので、映画を続けて観るときや家族と共有しているときにも便利でした。設定は「システム設定>アクセシビリティ>オーディオディスクリプション>オーディオディスクリプションを常に再生」をオンにするだけで、わずかな操作でMac全体に反映できます。
①アップルメニューでシステム設定を開く

画面左上のアイコンをクリックして、メニューから「システム設定」を選んでください。
最新のmacOSでは「システム環境設定」ではなく「システム設定」という名前になっていますのでご注意ください。
②アクセシビリティをクリックしてオーディオ解説を探す
システム設定のサイドバーからアクセシビリティをクリックします。最新のmacOSでは、上部にある検索欄に「解説」と入力するとすばやく表示できます。
左ペインで
聴覚サポート
を選ぶと、右側にオーディオ解説を再生のスイッチが見つかります。③オーディオ解説がある場合は自動で再生をオンにする

オーディオ解説付きのコンテンツを再生するとき、この設定をオンにしておくと、再生時に自動で解説音声が流れます。
画面左上のリンゴマークをクリックして「システム設定」を選んでください。
左側リストから「アクセシビリティ」を探してクリックしてください。
アクセシビリティの一覧から「オーディオ解説」を見つけて選んでください。
「オーディオ解説がある場合はオーディオ解説を再生」をクリックして緑色に切り替えます。
macOSのバージョンによっては「アクセシビリティ」→「聴覚サポート」→「オーディオ解説」と進む場合があります。
④設定を閉じて映画を再生して確認する
設定ウインドウを閉じて再生画面に戻します。画面中央の再生ボタンをクリックするかスペースキーを押してムービーをスタートしてください。
再生中にバリアフリー音声ガイドが流れているかを耳を澄ませて確認します。もし音声解説が聞こえない場合は、もう一度オーディオメニューを開いて正しいトラックが選択されているかチェックしましょう。
AppleTVアプリで映画の音声ガイドを選ぶ

AppleTVアプリは映画に含まれるバリアフリー音声ガイド(オーディオディスクリプション)に素早くアクセスできる方法です。視聴中にリモコンやトラックパッドで操作できるため、他のアプリを起動し直す手間がかかりません。
音声ガイド対応の映画を選ぶと、再生コントロール内に「オーディオと字幕」メニューが現れます。そこから音声ガイドを選ぶと、キャラクターの動きや風景の説明が自動で流れ始めます。
- リモコンやトラックパッド操作だけでオンオフの切り替えができる
- 作品に合わせた公式の音声ガイドをそのまま利用できる
- AppleIDで購入・レンタルした映画すべてに適用される
- ダウンロード再生中でもオフラインで利用可能
①視聴したい作品を再生する
AppleTVアプリを起動して、サイドバーから「ライブラリ」または「見つける」を選びます。
再生したい作品のサムネイルをクリックして詳細画面を開いたら、再生ボタンを押してください。
ネットワーク環境によっては読み込みに時間がかかることがありますが、そのまま待機するとスムーズに再生されます。
②再生コントロールの吹き出しアイコンをクリックする
動画を再生中にマウスを画面中央付近へ移動すると再生コントロールが現れます。
コントロール内の吹き出しアイコン(音声や字幕の切り替えマーク)をクリックしてください。この操作で利用可能なバリアフリー音声ガイドの一覧が表示されます。
③オーディオ解説を選択して閉じる
「オーディオと字幕」メニュー内でオーディオ解説をクリックします。選んだ後はメニューが自動で閉じるので、再生画面に戻ります。
iTunesで購入済みビデオの音声ガイドを使う

iTunesで購入したビデオは、あらかじめストア側で音声ガイドに対応したトラックが組み込まれています。再生中に画面上の吹き出しアイコンをクリックすれば、すぐにナレーションが流れ始めるので直感的に扱えます。ダウンロード済みならオフラインでも楽しめるから、移動中やネットがつながりにくい場所でも安心です。数クリックだけで切り替えられるおかげで、映像の世界を耳でも存分に味わいたいときに大活躍します。
①ビデオをダブルクリックで再生する
Finderで再生したいビデオファイルを探します。アイコンが見つかったら、マウスまたはトラックパッドで該当ファイルをすばやく2回クリックしてください。QuickTime Playerまたは既定の再生アプリが自動で起動し、再生が始まります。
ダブルクリックの速度が速すぎたり遅すぎたりする場合は、Appleメニューから「システム設定」を開き、「アクセシビリティ」→「ポインタコントロール」でダブルクリックの間隔を調整すると戸惑いなく操作できます。
②再生ウインドウ右下の吹き出しアイコンをクリックする
再生ウインドウ右下にある吹き出し型のアイコンをマウスでクリックします。もし再生コントロールが隠れているときは、ウインドウ内を一度クリックして再生バーを表示させると吹き出しアイコンが現れます。クリックするとオーディオトラックと字幕の選択メニューが開きます。
③オーディオ解説のトラックを選択する
再生中の映像を一度クリックして再生コントロールを表示します。画面右上の吹き出しアイコン「オーディオと字幕」をクリックし、「オーディオ解説」タブを選びます。利用したい言語やバージョンのトラック名をクリックすると即座に切り替わります。
一部の動画では「Audio Description」と英語表記になるためトラック名をよく確認してください。
音声ガイドを活かしてもっとMacを便利にする応用アイデア

バリアフリー音声ガイドを上手に使うと、いつものMacがおもしろいくらい便利になります。ここでは手軽に試せるアイデアを並べてみました。
応用アイデア | こんなときに便利 |
---|---|
通知を読み上げ | メールやチャットの新着を声でキャッチして手元の作業を止めずに確認できます。 |
スライドノート確認 | Keynoteで次の発表メモを音声でチェックしながらプレゼン準備をスムーズに進められます。 |
差分チェック | コードの変更部分を声で読み上げれば、目の疲れを減らしながらレビューできます。 |
記事を朗読 | Webブラウザで開いたブログやニュースを自動で読み上げ、歩きながら情報をインプットできます。 |
Finderナビ | 複雑なフォルダ階層も声で案内すると、迷子にならずにファイルをさっと開けます。 |
ショートカットキーで音声ガイドを一瞬で切り替える

Macで動画を再生中、Option+Command+Dを押すだけでバリアフリー音声ガイド(オーディオ解説)のオンオフを瞬時に切り替えられます。システム設定で「オーディオ解説がある場合は再生」を有効にしておけば、Apple TVアプリやiTunes、QuickTime、Safari上の対応コンテンツすべてで使えて、再生を止めずにサクッと切り替えられるので便利です。
システム設定のキーボードショートカットでオンオフを割り当てる

画面左上のAppleメニューからシステム設定をクリックして開きます。
サイドバーからキーボードを選び、上部タブのショートカットをクリックします。
左側リストでアクセシビリティを開き、オーディオ解説(バリアフリー音声ガイド)項目を探します。
「ショートカットを追加」ボタンをクリックして、オン/オフ切り替えに使いたいキーを入力し、完了を押します。
AirPlayでテレビに音声ガイドごと映像を届ける

AirPlayを使えば、Macで再生中の映像と音声ガイドをそのままテレビにワイヤレスで届けられます。画面の大きさやスピーカーの迫力を活かして、映画やドラマをより臨場感たっぷりに楽しめるのが魅力です。
操作はメニューバーのAirPlayアイコンをクリックして接続先を選ぶだけなので、ケーブルいらずで手軽に切り替えられます。複数人で視聴する時や、部屋のソファからゆったり楽しみたい時におすすめです。
メニューバーのAirPlayアイコンをクリックしてデバイスを選ぶ
メニューバーの右端にあるAirPlayアイコンをクリックします。アイコンは画面収録ボタンのような形をしていてテレビのようなマークが特徴です。
表示されたリストから接続したいデバイス(例:AppleTVやAirPlay対応スピーカー)の名前を選びます。名前は設定したロケーションやモデル名でわかりやすくカスタマイズしておくと便利です。
QuickTimePlayerで自作動画に音声ガイドトラックを追加する

QuickTime PlayerはmacOSに最初から入っているから、追加ソフトなしで自作動画にナレーションを乗せられるのが嬉しいポイントです。音声ファイルをドラッグ&ドロップするだけで、元の映像と⽔平に並べられるから、初めてでも迷わず操作できます。
軽い編集やちょっとした説明を動画に付け加えたいときにぴったりで、ファイルを書き出すのも数クリックで完了します。プロ用の複雑なタイムラインは必要なく、手早く音声ガイドトラックを追加して手元の作品をグレードアップできます。
①QuickTimePlayerで動画を開く

Finderで再生したい動画ファイルを見つけたらダブルクリックします。通常はQuickTime Playerが起動して動画が再生されます。
もし別のアプリで開かれる場合は、動画ファイルをcontrolキーを押しながらクリックして「このアプリケーションで開く」→「QuickTime Player」を選んでください。
プログラマー目線のアドバイス:QuickTime PlayerはmacOSに標準搭載されているので、追加インストール不要です。常に最新のフォーマット対応が行われるので安心して使えます。
②トラックメニューから新規オーディオトラックを追加する

再生中の画面をクリックして再生コントロールを表示し、右上の吹き出しアイコン横にある三点ボタンを押してください。
表示されたメニューからオーディオと字幕を選択し、「オーディオトラックを追加」をクリックします。
準備しておいた音声ガイドファイル(.m4aなど)を選ぶと、新しいナレーション用トラックが読み込まれます。
③音声ガイドを挿入して保存する
「iMovie」をアプリケーションフォルダから開き、画面上の「+作成」ボタンをクリックして「ムービー」を選択してください。
画面上部の「メディアを読み込む」アイコンをクリックし、音声ガイドを追加したい動画を選択して下のタイムラインにドラッグ&ドロップしてください。
同じく「メディアを読み込む」から音声ガイドのファイル(例:m4a)を選び、動画クリップの下にドラッグしてタイミングを合わせてください。
画面右上の「共有」ボタンを押して「ファイル」を選択し、解像度や品質を確認したうえで「次へ」をクリックして任意の場所に保存してください。
音声ガイドの音量は動画本編より少し抑えることで、視聴中の聞き疲れを防止できます。
よくある質問

- バリアフリー音声ガイドが再生されません
-
システム設定の「アクセシビリティ」で音声ガイドを有効にしたあと、Apple TVアプリやiTunesのビデオを再起動してください。再生中に「オーディオと字幕」メニューを開いて、音声ガイドのトラックを選ぶのを忘れないようにしましょう。
- Apple TVアプリ以外でも音声ガイドを使えますか
-
今のところ公式対応はApple TVアプリとiTunesだけです。ただし、サードパーティ製プレーヤーではカスタムオーディオトラックを読み込めるものもあるので、手元のファイルに独自に音声ガイドを追加した場合はお試しください。
- 音声ガイドの言語を変更したいです
-
「オーディオと字幕」メニューで提供されている言語を選ぶだけです。もし目的の言語が見当たらないときは、最新のmacOSアップデートとApple TVアプリのアップデートを確認すると追加されることがあります。
音声ガイドが表示されないときは?
バリアフリー音声ガイドを選択してもオーディオ解説が出てこないときは、まずMac本体とアプリの設定、それから再生しようとしているコンテンツ側の対応状況をまとめて確認してみましょう。
途中で音声が途切れるのはなぜ?
Macでバリアフリー音声ガイドが途中で途切れる原因は、再生中にCPU負荷が高まってオーディオ処理が追いつかなくなるケースが多いです。特にバックグラウンドで重いアプリを動かしていると、音声データのバッファリングが間に合わずに「プツッ」と切れたように感じます。
プログラマー目線での対策は、再生時に不要なアプリを終了してメモリ&CPUリソースを空けることです。あと、システム設定の「省エネルギー」から「ハードディスクを可能な場合はスリープさせる」のチェックを外すと再生中の処理が安定しやすくなるので試してみてください。
再生中は音量調整アプリや声質変換プラグインなどのオーディオ系ユーティリティを一時停止すると途切れにくくなります。
自分で録音した音声ガイドを追加できる?
いまのところAppleTVアプリやiTunesには自分で録音した音声ガイドを直接追加する機能はありません。それだけに、手作りガイドを楽しむには動画ファイル自体に音声トラックとしてガイドを組み込む必要があります。
おすすめは手軽に使えるMKVToolNixやFFmpegを利用して、動画にガイド音声ファイルをくっつける方法です。
たとえばFFmpegなら以下のように実行すると、ガイド音声を2番目の音声トラックとして結合できます。
ffmpeg -i movie.mp4 -i guide.m4a -c copy -map 0 -map 1 output.m4v
こうしてできたoutput.m4vをAppleTVアプリやiTunesに読み込むと、「オーディオと字幕」メニューから自作ガイドを選択できるようになります。一度流れをつかめば、オリジナルの音声ガイド付き動画が気軽に楽しめます。
ショートカットキーをカスタマイズできる?
システム設定の「キーボード>ショートカット>アクセシビリティ」で好きなキーを割り当てられます。いちいちメニューを開かずにワンタッチで音声ガイドを切り替えできるから、映画やドラマのシーン移動中もテンポを崩さず楽しめます。プログラマー経験からいうと、さらにAutomatorやAppleScriptでワンクリック化しておくと、ショートカットを忘れたときもメニューバーから起動できて安心です。
バリアフリー音声ガイドとVoiceOverの違いは?
VoiceOverは画面上のボタンや文字を読み上げてくれる操作サポート用の機能です。これを使うとアプリの操作やメールの本文など、システムのあらゆるメニューを音声で追えるようになります。いっぽうバリアフリー音声ガイドは映画やドラマの映像に合わせてシーンの状況や動きをナレーションしてくれるトラックです。映像の世界をより立体的に楽しみたいときにはこちらをオンにすることで、登場人物の動作や背景の描写までしっかりキャッチできます。
まとめ

ここまで、AppleTVアプリ、iTunes、システム設定からバリアフリー音声ガイドを有効にする手順をお伝えしました。
設定が整えば、視覚に頼らずに映画やドラマをじっくり楽しめます。ぜひお好きな作品で試して、新しい鑑賞体験を味わってください。