初めてのmac画面でVoiceOverの使い方に戸惑い、読み上げが止まらず焦っていませんか。
ここでは長年の現場経験から、ショートカットでの起動方法、読み上げ速度の微調整、アプリごとの便利な操作まで、一つずつ画面と音声の動きに合わせて丁寧にまとめています。日常作業にすぐ役立つ実例を交えていますので、操作のたびにメニューを探す手間が減り、作業に集中できます。
まずはCommandとF5を押してVoiceOverを立ち上げ、読み上げ声に耳を傾けながら順番に試してください。数分後には自分のペースでmacを操れる心強さを味わえます。
MacVoiceOverをオンにして読み上げをスタートする方法

最初に、VoiceOverの読み上げを始めるには以下のいずれかを試してみましょう。
- Command+F5キーを押す
- TouchIDを3回連続で押す(対応機種のみ)
- Siriに「VoiceOverをオンにして」と伝える
ファンクションキーが標準動作になっている場合は、システム設定のキーボード項目で「F1、F2などのキーを標準ファンクションキーとして使用」をオフにするとスムーズに切り替えられます。
TouchID操作を使うには指紋認証の設定が必要です。
キーボードショートカットで一瞬起動する

VoiceOverを一瞬で起動したいときはキーボードショートカットが大活躍です。手元だけでスイッチを入れられるのでパッと操作に移りたいプログラミングの合間や調べ物をしながらでもスムーズに切り替えられます。最新のmacOSではCommand+F5キーかTouchIDを三回トントンと軽く叩くとVoiceOverがオンオフするのでファンクションキーがロックされていても大丈夫です。キーボードひとつで呼び出す手軽さは普段の作業の流れを邪魔しません。
①FinderでCommandとF5を同時に押す
FinderをアクティブにしてからCommandキーとF5キーを同時に押してください。
Functionキーが専用機能に割り当てられている場合は、Fnキーを押しながらCommand+F5を試してみましょう。
Touch ID搭載モデルでは、Command+F5のかわりにTouch IDを3回連続で軽くタップしてVoiceOverを起動できます。
②VoiceOverのウエルカムメッセージをSpaceキーで続ける
VoiceOverをオンにするとウエルカムメッセージが読み上げられます。次の案内を聞きたいときはキーボードのSpaceキーを押してください。
メッセージは自動でも進みますが、Spaceキーで自分のタイミングに合わせて操作すると落ち着いて使えます。
③好きな声を矢印キーで選んでReturnキーを押す
矢印キーで上下のリストを移動して好みの声を探します。スペースキーを押すとサンプルが再生されるので、声の感じを確認できます。気に入った声に到達したらReturnキーを押して選択を確定しましょう。
リストが長いときは、PageUpキーやPageDownキーでジャンプ移動するとスムーズです。
システム設定からゆっくり準備する

VoiceOverをじっくり設定画面からオンにすると、焦らずに自分好みの声や読み上げスピードを選べるので初めてでも安心です。
システム設定の「アクセシビリティ」>「VoiceOver」から有効化すると、読み上げの声や音量をサンプル再生しながら調整できるため、画面読み上げの快適さを自分のペースで追い込めます。
①Dockの設定アイコンをクリック

Dockの下部または左端にある歯車マークの設定アイコンを探してください。マウスポインタを重ねると「システム設定」と表示されるので、クリックします。
②左のアクセシビリティを選ぶ

システム設定を開いたら、画面左側に並ぶメニューからアクセシビリティをクリックします。ウインドウが狭いとリストが折りたたまれることがあるので、必要に応じて少し横幅を広げてから探してみてください。
マウスやトラックパッドで選ぶほか、キーボード操作ならTabキーでフォーカスを左側に移動させ、矢印キーで「アクセシビリティ」をハイライトしてEnterキーを押すと移動できます。
③VoiceOverスイッチをオンにする
表示された「アクセシビリティ」画面で左側のリストから「VoiceOver」を選び、右側にあるスイッチをクリックしてオンにします。スイッチが緑色になればVoiceOverが有効化され、すぐに読み上げが始まります。
④案内に従って練習チュートリアルを始める
TouchIDボタンを3回押してサッと起動する

TouchIDボタンを3回押すだけでVoiceOverがすぐに立ち上がるので、キーボードショートカットを探す手間がいりません。MacBookシリーズやMagic Keyboard搭載のiMacなら本体右上のTouchIDがアクセシビリティ呼び出しに対応しているので、画面がロックされた状態でもアプリ操作中でも同じ感覚で読み上げを始められます。手軽さゆえに、コードレビュー中や資料チェックの際にさっと声で確認したいプログラマーの作業フローにもフィットします。
①TouchID付きキーボードの電源ボタンを素早く3回押す
Magic Keyboard右上の電源ボタン(TouchID部分)を連続で3回押します。タイミングは0.5秒以内に3回が目安です。
3回目を押すと「VoiceOverオン」または「VoiceOverオフ」とアナウンスが流れて、切り替えを聴いて確かめられます。
押すときは指を離さず軽くタップするイメージで行うと認識精度が安定します。
読み上げをすばやく切り替えたいときや画面に触れられない状況でも、この操作だけで対応できるので便利です。
②読み上げが始まったらSpaceキーで続行する
VoiceOverが最初のメッセージを読み上げ始めたら、Spaceキーを押して次の項目の読み上げに移ります。フォーカスごとに同じ操作をくり返すと、自然なペースで情報を追えます。
注意点:別のアプリが前面にあるとSpaceキーが反応しない場合があります。VoiceOverを操作する前に必ずFinderやデスクトップをアクティブにしてください。
VoiceOverを使いこなして毎日のMac作業をラクにするコツ

VoiceOverを毎日の頼れる相棒にするには、ひと手間加えた応用技がおすすめです。ここでは実際に試してみて効果が感じられたテクニックをまとめました。あなたの作業スタイルに合いそうなものからチャレンジしてみてくださいね。
応用テクニック | 役立つ場面 |
---|---|
カスタムコマンド登録 | よく使う操作をワンタッチで呼び出して作業効率アップ |
ロータ設定活用 | 文字やリンクの移動を素早く行えて文章編集や調べものがラク |
トラックパッドジェスチャ | スクロールや項目選択を直感操作でスムーズに |
読み上げ詳細調整 | 読み上げ内容を最適化して必要な情報に絞れる |
スクリプト自動化 | 定型作業をワンクリックで実行して手間を減らせる |
Web記事を耳で楽しむブラウズ術

VoiceOverがあればWeb記事を画面を見ずに耳だけで楽しめます。通勤電車の中や料理しながら手がふさがっているときも、好きなニュースや技術ブログをサクサク聴けるので目の疲れも軽減できます。
特に助かるのがローレット(VOキー+U)での見出しナビ。見出しだけざっと流して気になるセクションをクリックなしで即ジャンプできるので、記事の要点を効率よくキャッチできます。
さらにSafariリーダーモードと組み合わせると広告やメニューをスキップして本文だけを読み上げるので、雑音ゼロで集中できます。音声速度をほんの少し早めに設定すると長文記事もリズムよく聴けるのでおすすめです。
Safariを開いてVO+UでWebローターを表示する
VoiceOverがオンのままSafariを起動すると、ウェブページを音声でたどれるようになります。Webローターを使うと、見出しやリンク、フォームなどにすばやくジャンプできるので、とくに長いページを読むときにとても便利です。
DockまたはSpotlight(Command+Spaceキー)からSafariを起動します。
Control+Option(VOキー)を押しながらUキーを押します。画面上にローターのパネルが開きます。
左右の矢印キーで「見出し」や「リンク」などを選び、上下の矢印キーで該当箇所にジャンプします。
VOキーはControl+Optionです。Magic Keyboardの場合はTouch ID三連打でVoiceOverをオンにしてから操作するとスムーズです。
Tabキーで見出し一覧を聞きながら移動する
VoiceOverにはページ上の見出しだけを順番に読み上げてくれるモードがあるので、Tabキーだけでサクサク移動できます。
見出しの階層やテキストを聞きながら移動できるので、長いページでも迷子にならず楽ちんです。
VoiceOverがオンの状態でControl+Option+Command+H
を押して、見出しモードに切り替えます。
Tabキーを押すと次の見出しにフォーカスが移り、階層レベルと見出しテキストを読み上げます。
Shift+Tabキーを押すと一つ前の見出しに戻れます。
Returnキーで気になる見出しにジャンプする
Control+Option(VoiceOverキー)を押しながらUキーを押して、ロター(メニュー)を開きます。
左右の矢印キーで“見出し”に切り替え、上下の矢印キーでジャンプしたい見出しをハイライトします。
ハイライトが見えたらReturnキーを押すと、その見出しへ一気に移動します。
ターミナル作業を読み上げで快適にする

ターミナル画面は文字だけのシンプルな世界なので、VoiceOverで読み上げるとコマンドの入力や実行結果、エラーが声で届いて、目を離したまま作業できるようになります。
特に長時間のビルドやスクリプト実行中に他のウィンドウで作業しつつ進行状況を耳でチェックできるのは、とても便利です。また、ディレクトリ移動や魚拓のログをスキップするように設定しておくと、必要な情報だけを素早くキャッチできるようになります。
Terminalを起動してVO+Aで行を読み上げる

Spotlight(⌘+スペース)で「Terminal」と入力してEnterを押してください。Finderではアプリケーション>ユーティリティからTerminalを選べます。
ControlキーとOptionキー(VOキー)を同時に押しながらAキーを押してください。カーソル位置からウィンドウ内のテキストがまとめて読み上げられます。
Commandキーを押しながらShiftでコピーしたい内容を選ぶ
まずはコピーしたいテキストの先頭や始点となる場所にカーソルを移動します。
Commandキーを押し続け、さらにShiftキーも同時に押したまま、矢印キーかマウスドラッグでコピーしたい範囲まで選択します。
VO+Wで最後の出力を繰り返し聞く
VoiceOverで読み上げている最中に、直前の文やフレーズをもう一度聞きたいときは、VO+Wキーを使います。
まず、Command+F5キーまたはTouch IDを素早く3回押してVoiceOverを有効にします。
Control(またはCaps Lock)+Optionキーを押しながらWキーを押すと、最後に読み上げた部分を繰り返し聞けます。
Xcodeでコードレビューを耳でサクサク

Xcodeを開いてVoiceOverをオンにすると、コード差分やメソッド一覧を耳でチェックできるようになります。ファイルナビゲーターやIssueナビゲーターを矢印キーで移動しながら、変更箇所の行番号や関数名を音声で把握できるので、画面をジッと見続ける疲れが軽減します。
プログラマーならではのコツとして、VoiceOverのローター機能で「見出し」を選ぶとクラス名やメソッド単位でジャンプできて便利です。レビュー時の集中力を保ちつつ、手元でコードを追いかける感覚が楽しくなります。
XcodeのエディタでVO+Rで現在行を読み上げる
Xcodeでコードを開き、VoiceOverが読み上げてほしい行をクリックしてください。エディタ領域がアクティブになっていることを確認します。
VoiceOverキー(Control+Option)を押しながらRキーを押します。すると、キャレットのある行が音声で読み上げられます。
VO+Lで行番号を読み上げてもらう
VoiceOverを使ってテキスト編集中に、いまカーソルが何行目にあるか知りたいときはVO+L
を押してみてください。すると「行○列○」と読み上げてくれるので、長い文章を編集するときに「あれ?ここ何行目だったっけ?」と迷わずにすみます。
Command+F5を押してVoiceOverをオンにしてください。オンになっていると「VoiceOverオン」と読み上げてくれます。
テキストエディタやメモアプリで、行番号を知りたい行にキャレット(カーソル)があることを確認してください。
VO+L
を押して行番号を聴くControl+Option+L(VO+L)を押すと「行5列12」のように読み上げます。自分が何行目にいるのか瞬時にわかるので、コード編集や長文校正で大助かりです。
注意点:VoiceOverキーの組み合わせをカスタマイズしている場合は、システム設定のアクセシビリティ>VoiceOver>キーボードからショートカットを確認してください。
VO+Command+Jで警告一覧を確認する
VoiceOverキー(デフォルトではcontrolとoption)を押しながらCommandとJを同時に押します。
画面右側に『警告一覧』パネルが現れ、altテキストがない画像やラベル未設定のボタンなど、気になる点がまとめて表示されます。
よくある質問

VoiceOverを起動するショートカットが効かないときは?
- VoiceOverを起動するショートカットが効かないときは?
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お使いのキーボードがFunctionキー優先モードになっていると、Command+F5が反応しづらいことがあります。システム設定の「キーボード>キーボードタブ>F1、F2などのキーを標準のファンクションキーとして使用」にチェックを入れてから再度お試しください。
読み上げの速度を変えたいときは?
- 読み上げの速度を変えたいときは?
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VoiceOverがオンの状態でControl+Option+Command+(左右のブラケットキー)を押すと、速度をゆっくり/速く調整できます。プログラミング中は速めに、長文チェックのときはゆっくりにするとリズムをつかみやすくなります。
特定のアプリだけVoiceOverをオフにできますか?
- 特定のアプリだけVoiceOverをオフにできますか?
-
残念ながら現状ではアプリ単位で切り替える設定はありません。ですが、ターミナルからアプリ起動時に一時的にVoiceOverをオフにするスクリプトを組むことはできます。慣れてきたらAutomatorでワンクリック切り替えを作ると快適です。
VoiceOverが急に無音になったときは?
VoiceOverが急に無音になると不安になりますよね。ですが慌てずにいくつか確認すると、すぐに読み上げを復活できます。
Mac本体や外部スピーカーの音量がゼロになっていないか調べましょう。メニューバーのスピーカーアイコンをクリックして、音量バーを一度最大近くまで上げてみてください。
キーボードの「F10」「F11」「F12」キーやTouch Barで、ミュートになっていないか確かめます。ミュートアイコンが表示されていたらもう一度押して解除してください。
AirPodsやBluetoothスピーカーを使っていると接続が切れてVoiceOverが無音になることがあります。メニューバーのスピーカーアイコンから正しい出力先を選び直してみましょう。
Command+F5 を押して一度VoiceOverをオフにし、もう一度同じキー操作でオンに戻します。読み上げが復活するか確認しましょう。
以上を試しても直らない場合は、Macを再起動すると内部の音声処理がリセットされます。念のため保存中のデータを閉じてから再起動してください。
Bluetooth機器の接続が不安定だときは、いったん切断して再度ペアリングすると改善しやすいです。
英語の声を日本語に戻すには?
VoiceOverの声が英語になったときは、Appleメニュー>システム設定>アクセシビリティ>VoiceOverに進み、「読み上げ」タブを開いて「言語」を日本語に戻してください。その後、Command+F5でVoiceOverを一度オフ/オンすると、設定が確実に反映されます。
ファンクションキーが動かないときの対処は?
キーボードのファンクションキーを押しても画面の明るさや音量調整になってVoiceOverが切り替わらないときがあります。その場合は「システム設定>キーボード」で『F1、F2などのキーを標準ファンクションキーとして使用』をオンにしてみてください。Touch Bar搭載のMacではControl+Fn+Command+F5でもVoiceOverを起動できますし、外付けMagic Keyboardを使う場合はファームウェアの更新やFnロックの状態もチェックしておくとトラブルを防げます。
読み上げ速度を素早く変える方法は?
VoiceOverの読み上げ速度をさっと変えたいときは、キーボードショートカットを覚えておくととても便利です。たとえば、Control+Option+Commandを押しながら左右の矢印キーをタップすると、メニューを開かずに一段階ずつ速さを上げ下げできます。長い文章を聞き流しながら微調整したいときや、すぐにゆっくりに戻したいときにおすすめの方法です。
VoiceOverをオフにしたら設定は消える?
VoiceOverをオフにしても、これまで調整した読み上げ速度や声の種類などの設定は消えません。次にVoiceOverをオンにすると、前回のカスタマイズがそのまま反映されるので安心してください。
まとめ

以上でMacのVoiceOverをオンにして読み上げをスタートする基本的な手順は整いました。Command+F5やTouch IDの連打、Siriの呼びかけでサクッと有効化して、VO+Aでテキストを一気に読み上げたり、VO+Fn+Command+F8からチュートリアルを開いたりできます。
ここまでの操作を楽しみながら繰り返せば、視覚に頼らずMacをサクサク操作できるようになります。読み上げ速度や声の調整、方向コマンドなどの応用もあるので、気軽にいじって自分にぴったりの設定を見つけてみてください。新しい操作を試すたびに小さな発見があるはずです。