macを起動した途端キーボードが沈黙しアクセシビリティの許可が必要と気付き焦った経験はありませんか。
システム設定のどこを開き、どのチェックを入れるのかを画面の色やボタンの形まで示しながら操作例を交えて、初めてでも数分で入力を取り戻せる手順をまとめています。さらにKarabinerなどの定番ツールが要求する追加設定も、誤動作を防ぐ安全な順序で紹介します。
手元のMacが素直に文字を受け付けるように、これから一緒に設定を進めてみませんか。読み終えるころには、外付けキーボードも掃除用ロックも思いのままに操れます。
Macでキーボード系アプリにアクセシビリティ許可を渡すやさしい流れ

Macでキーボード系アプリをさくっと動かすには、どのアプリでも同じ流れでアクセシビリティ許可を与えれば大丈夫です。System Settings(システム設定)の「プライバシーとセキュリティ」から「アクセシビリティ」を開いて、アプリにチェックを入れるだけでキーボード操作がスムーズになります。
- 動かしたいアプリを起動し、許可を求めるダイアログが出たら「システム設定を開く」をクリック
- 左サイドバーで「プライバシーとセキュリティ」→「アクセシビリティ」を選ぶ
- ウインドウ左下の錠マークをクリックして認証し、対象アプリにチェックを入れる
- 設定後はアプリを再起動して、キーボード入力が通ることを確認する
錠マークを解除しないとチェック欄が編集できません。必ず一度クリックしてロックを外してから操作してください。
システム設定から手動で許可する方法

アプリからの自動ポップアップが出ないときや、あとからじっくり許可を見直したいときはシステム設定から手動で許可を追加できます。アクセス可能なアプリ一覧を自分で確認しながら選べるので、許可漏れによるトラブルを未然に防げます。
システム設定では、鍵アイコンをクリックして変更を有効化したあと、該当アプリをリストに追加してチェックを付けるだけのシンプルな操作です。許可後は念のためアプリを再起動すると、すぐにキーボードの動作がスムーズになります。
①アップルメニューからシステム設定を開く

画面左上のアップルロゴをクリックするとメニューが開きます。その中にあるシステム設定を選ぶと設定アプリが起動します。初めてだと新しいデザインに戸惑うかもしれませんが、歯車アイコンを探せば迷わず見つかります。
②左のサイドバーでプライバシーとセキュリティを押す

システム設定のウィンドウ左側に並ぶメニューの中からプライバシーとセキュリティを探してクリックします。表示されない場合はサイドバーをスクロールして項目を見つけてください。
③アクセシビリティを選んで一覧を表示する
画面左下にある鍵マークをクリックします。
Touch ID対応モデルならセンサーに指を当てるか、管理者パスワードを入力してロックを解除してください。
パスワード入力後、設定が編集可能になるまで数秒待つとトラブルが減ります。
⑤対象アプリのチェックボックスをオンにする
⑥鍵マークを再度押して設定を保存する
変更が完了したら右下の鍵マークをもう一度クリックして設定を保存します。これで設定画面を閉じても追加したアプリがアクセシビリティにアクセスできるようになります。
アプリのポップアップから許可を出す方法

初めて起動したタイミングで現れる「アクセシビリティの許可をしますか?」というポップアップから承認すれば、わざわざシステム環境設定を探し回る必要がありません。ポップアップ内の「システム設定を開く」をクリックして、そのまま許可をONにできるため、迷うことなくスムーズに操作を進められます。
①アプリを初めて起動してアクセシビリティ求めるダイアログを出す
DockやLaunchpadから対象アプリをクリックして起動してください。初回起動時に「〜がアクセシビリティ機能を利用しようとしています」というダイアログが画面中央に表示されます。
このダイアログが出ない場合は、一度アプリを終了してから再度起動すると現れることがあります。
②表示されたシステム設定を開くボタンを押す

ダイアログに出てきたシステム設定を開くをクリックしてください。自動で「プライバシーとセキュリティ」の画面が開き、アクセシビリティの一覧が表示されます。もし反応しない場合は、手動で「Appleメニュー」→「システム設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「アクセシビリティ」と順番に開いてみましょう。
③アクセシビリティの一覧で該当アプリにチェックを入れる

システム設定の「セキュリティとプライバシー」>「プライバシー」タブで「アクセシビリティ」を選んだら、右側のアプリ一覧から使いたいアプリ名にチェックを入れてください。
一覧にアプリが見つからない場合は、下の+ボタンを押してアプリ本体を選ぶと追加できます。
④アプリを再起動して動作を確認する

一度アプリを終了し、DockやLaunchpadからもう一度起動してください。アクセス許可の変更は既に開いているアプリには反映されないので、必ず再起動します。
起動後にキーボード操作やマウスクリックが期待どおり動くか試してみましょう。問題なく動けば設定完了です。
補足:まれにmacOSの再起動が必要な場合もあるので改善しないときは試してみてください。
ターミナルで許可情報をリセットしてやり直す方法

ターミナルからアクセス許可の情報を一度リセットすると、システム環境設定に表示されなくなってしまったアプリも再び許可を求める状態にできます。
こうすることで、うっかり「許可しない」を選んでしまったアプリや、設定画面で消えてしまったアプリをまとめてクリアしてやり直せます。
注意点としては、ターミナル操作でリセットするとほかのアプリのアクセシビリティ許可もいったんゼロに戻るため、再設定が必要になることだけ覚えておいてください。
①ターミナルを開いてtccutil reset Accessibilityと入力する
画面左上のメニューからアプリ名をクリックして「終了」を選ぶか、⌘
+Q
で確実にアプリを閉じてください。
Dockやアプリケーションフォルダから対象アプリを再起動すると、アクセシビリティ許可のダイアログが再び表示されます。
③システム設定でチェックを入れ直す

まず「システム設定」を開き、サイドバーの「プライバシーとセキュリティ」を選んでください。
右側の「アクセシビリティ」をクリックし、画面左下の鍵アイコンを押して管理者パスワードを入力します。
許可リストにある対象アプリのチェックを一度外し、数秒待ってから改めてチェックを入れ直します。
最後に設定画面を閉じてから当該アプリを再起動すると、新しい許可設定が反映されます。
アクセシビリティ許可でできる楽しい応用アイデア

アクセシビリティ許可をいただくとキーボードまわりの便利機能が開放されるだけでなく、ちょっと遊び心のある使い方も楽しめます。
応用アイデア | 活用シーン/メリット |
---|---|
アクセシビリティキーボードでのゲーム操作 | 画面上の仮想キーをショートカットキーに割り当てれば、簡易なブラウザゲームやキー連打系ゲームが楽しめます。 |
KeyCastr×配信の演出 | キーストロークをリアルタイム表示しながら配信すれば視聴者へのデモが分かりやすく、雰囲気も盛り上がります。 |
Karabiner-Elementsで自作ショートカット | よく使う文言や顔文字をワンタッチ入力。チャットやソーシャル投稿の効率がぐんとアップします。 |
KeyboardCleanToolでいたずら防止 | 子どもやペットが乱暴にキーボードを触っても大丈夫。お掃除タイムはもちろん、集中したい作業中にも安心です。 |
Logicool Optionsとジェスチャー設定 | トラックパッドのジェスチャーをキー操作と組み合わせれば、資料切り替えや音量調整が直感的に行えます。 |
KarabinerでCapsLockを魔法のHyperキーに変える

CapsLockを魔法のHyperキーに変えると、左手ポジションから⌘⌥⇧⌃をまとめて押せます。普段は眠っているCapsLockが覚醒して、HammerspoonやRaycastのトリガー設定もストレスフリーになります。
特に複数ショートカットを駆使するプログラミング作業や、ウィンドウ管理を劇的に快適にしたいときにぴったりのカスタムです。
システム設定でKarabinerにチェックを入れる
KarabinerのSimpleModificationsでCapsLockをHyperに割り当てる

アプリケーションフォルダからKarabiner-Elementsを起動します。
上部のメニューからSimple Modificationsをクリックします。
対象デバイスを「すべてのデバイス」にし、右側の「Add item」を押します。
左のドロップダウンで「caps_lock」を選び、右のドロップダウンから「hyper」を選びます。
KeyCastrでキー入力を画面に浮かべて配信を盛り上げる

KeyCastrは、キーを押すたびにその入力を画面上にポップアップ表示してくれるアプリです。配信やプレゼンで、何を入力しているかを視聴者や参加者に直感的に伝えられるので、操作のもたつきをカバーしてくれます。
ゲーム実況やコーディング動画のライブ解説にぴったりで、キーストロークが見えることで視聴者の理解度がぐっとアップします。最初にアクセシビリティ許可を設定すれば、すぐにワンタッチで使い始められます。
アクセシビリティでKeyCastrにチェックを入れる
画面左上のAppleメニューから「システム設定」を選びます。
サイドバーで「プライバシーとセキュリティ」をクリックし「アクセシビリティ」を選びます。
右側のアプリ一覧にあるKeyCastrにチェックを入れて鍵アイコンをもう一度クリックし、設定を確定します。
メニューバーでKeyCastrをオンにしてフォントや位置を決める

KeyCastrを起動したあとは、メニューバーからオン・オフはもちろん、フォントや色、表示位置を自由にカスタマイズできます。
画面右上のメニューバーにあるKeyCastrのアイコンをクリックして表示オンに切り替えます。
同じメニューから「Preferences」を選択して設定画面を開き、お気に入りのフォントや文字サイズ、文字色を決めましょう。
KeyCastrの表示ボックスをドラッグして好きな場所に移動します。コードエディタやターミナルの上など、視線に合わせて試してみると見やすいですよ。
KeyboardCleanToolで掃除中の誤入力をゼロにする

掃除中にキーをゴシゴシしていると、知らないうちにカーソルが飛んで文章が消えたり文字がどんどん入力されたりしてヒヤリとした経験はありませんか?KeyboardCleanToolはそんな不安をゼロにしてくれる小さなアプリです。起動するだけで物理キーを完全にロックできるので、掃除に集中しても誤入力が一切発生しません。インストール不要のシンプル設計で、最新のmacOS Sonoma(14)でもサクッと動いてくれる頼もしさが魅力です。
アクセシビリティでKeyboardCleanToolにチェックを入れる

システム設定を開いて「プライバシーとセキュリティ」をクリックします。
左側リストの「アクセシビリティ」を選び、右側にある鍵アイコンをクリックして解除します(管理者パスワード入力)。
一覧に表示されたKeyboardCleanToolにチェックを入れると完了です。
掃除ボタンを押してキーボードをロックする
KeyboardCleanToolのメインウィンドウで中央にある掃除ボタンをクリックします。
これでキーボード入力が無効化されるので、キーを拭いても文字が入力されません。
よくある質問

- アクセシビリティ許可はどこで確認できますか?
-
システム設定の「プライバシーとセキュリティ」>「アクセシビリティ」で許可済みのアプリが一覧表示されます。鍵マークをクリックして管理者パスワードを入力すると、チェックのオンオフで操作できます。
- 許可したのにキーボードカスタムツールが動かないんですが?
-
アプリをアップデートしたり再インストールすると設定がリセットされることがあります。一度チェックを外してから再度オンにしてみてください。それでも動かないときはMacを再起動すると直ることがあります。
- 複数のキーボード系アプリを同時に許可しても問題ありませんか?
-
問題なく併用できます。ただしチェックするアプリが多いと管理が少し大変になるので、不要になったものは外すのがおすすめです。後からまた入れ直せます。
- 許可を取り消したいときはどうすればいいですか?
-
同じくシステム設定の「アクセシビリティ」で該当アプリのチェックを外すだけで取り消せます。最後にアプリを再起動すると設定がすぐ反映されて安心です。
アクセシビリティにアプリ名が出てこないのはなぜ?
macOSでは、ユーザーがまだ一度もアプリでアクセシビリティ機能を使おうとしていないと、そのアプリ名が設定画面のリストに自動で現れません。
また、アプリ側で「アクセシビリティ許可を要求する処理」が組み込まれていない場合や、サンドボックス(※かぎられた動作範囲)外で動く古いアプリだと、そもそも一覧に出てこないことがあります。
- まだ起動してアクセスを試していないアプリ
- アクセシビリティ要求の仕組みを持たないアプリ
- サンドボックス外で動くレガシーなアプリ
- システム設定の検索フィルターで隠れている場合
チェックを入れてもアプリが反応しないときはどうする?
アクセシビリティの許可欄にチェックを入れたのにアプリがまだ反応しないときは、まずシステム環境設定と対象アプリの再起動を試してみましょう。設定変更後は再起動しないと反映されないことがよくあります。
それでも動かない場合は、一度チェックを外してからもう一度追加し直す方法がおすすめです。macOS Monterey以降では入力監視の許可も必要になることがあるので、同じ画面の「入力監視」欄も確認してください。
許可を取り消したいときはどこを触ればいい?
許可を取り消すのは思っているより簡単です。macOS Ventura以降では画面左上のAppleメニューから「システム設定」を開き、サイドバーで「プライバシーとセキュリティ」を選びます。その中の「アクセシビリティ」をクリックすると、許可中のアプリ一覧が表示されるので、チェックを外したいアプリを見つけてチェックを外すだけで完了します。
会社のMacで鍵マークが灰色になって押せないのは?
会社で配布されているMacは、設定を守るために管理者がロックをかけていることがあります。この場合、システム設定の「セキュリティとプライバシー」で表示される鍵マークが灰色になっていて操作できない状態になります。
この状態は、社内の管理ツール(MDM)や設定プロファイルで制限されているからです。個人で操作を解除できないように設計されているため、以下の方法で対処すると安心です。
- まずはIT部門やヘルプデスクに状況を伝えて、必要な権限を付与してもらう
- 社内プロファイルの一覧を確認し、不要な制限があれば管理者に相談する
- 急ぎの場合はリモートサポートツールを使って、管理者に画面共有で解除してもらう
自分で無理に解除しようとするとセキュリティ違反になりかねないので、必ず社内ルールに沿って進めることが大切です。
セキュリティが気になるけどアクセシビリティ許可は安全?
アクセシビリティ許可は、Macの「システム環境設定」→「セキュリティとプライバシー」→「プライバシー」タブで明示的にオンにする仕組みですから、勝手にアプリが操作を乗っ取ったりはしません。
実際にプログラミング中によく使うKarabiner-ElementsやKeyCastrも、この手順でだけ有効になります。許可したアプリはシステムが管理しているので、安全にキーボード入力のカスタマイズや可視化を楽しめました。
信頼できる開発元のアプリだけに許可を与えるのがおすすめです。見慣れないアプリや公式サイト以外で配布されているものは要注意です。
まとめ

キーボード系アプリが動かないときはアクセシビリティへの許可が足りないことが多いです。システム設定>プライバシーとセキュリティ>アクセシビリティで必要なアプリをオンにすれば、画面キーボードやKarabiner-Elements、KeyCastr、Logicool Optionsなどが正しく動きはじめます。
許可を与えたあとはアプリを再起動すると動作が安定しやすいです。複数アプリを使いたいときは、ひとつずつ追加して動作を確かめながら進めると安心できます。
新しくインストールしたアプリにも同じ設定手順が必要になるので、覚えておくと他のツール導入もスムーズです。掃除用ツールやカスタマイズアプリも同じ流れで使えるようになります。
この記事の手順を参考に、自分好みのキーボード環境を楽しく整えてみてください。設定を見直せばトラブルの多くはすぐに解決できますので、気軽にチャレンジしてみましょう。